この記事では「無用の長物」の読み方や意味について解説いたします。

ネガティブな意味を持っていることわざなので、よく分からずに使ってしまうと思わぬトラブルに発展しかねません。

そこで今回は「無用の長物」の意味や使い方、語源や類義語、対義語や英語表現なども合わせてまとめました。

この記事を最後まで読めば、「無用の長物」がどのようなものか理解できるようになることでしょう。

「無用の長物」の読み方・意味・使い方

建築士
「無用の長物」は「むようのちょうぶつ」と読み、「役に立たないどころか、あるだけで邪魔になるもの」を意味することわざです。

「長物」を「ながもの」と読むのは誤りなので、読み方には気をつけましょう。

「無用」は「いらないこと」、「長物」は「長すぎて役に立たないもの」を意味しており、「長物」はそれが転じて「無駄なもの」という意味でも使われるようになりました。

また「無用の長物」の使い方としては、次のようなものが挙げられます。

今では我が家の誰もゲームで遊ばなくなってしまったので、これらのゲームはもはや無用の長物だ。

ゲームは一人でも複数人でも遊べる楽しいものですが、使い方が分からない人やそれを楽しく感じない人にとっては場所を取るだけで何の役にも立ちません。

元々は子どもの為に買い与えたゲームであれば、子どもが進学や就職などで家を出てしまうと誰も遊ばなくなってしまうということがあり得ます。

この例では、今では上記のような事情で誰もゲームで遊ばなくなってしまったので、ゲーム類は役に立たないどころか、あるだけで邪魔になるものだということです。

これらのコレクショングッズは他人にとっては無用の長物に思われるかもしれないが、自分にとって価値があればそれで良いと思っている。

骨董品や絵画、フィギュアやコレクショングッズなど、それらに価値を感じる人もいれば全く価値を見出せないという人はいるものです。

それらは人によって価値の感じ方に差があることが多く、当人以外には「なぜそのような物を大事にしているのか」と思われることもあるでしょう。

しかしそうであっても、他人に迷惑をかけているわけではありません。

今回の例でも、コレクショングッズは他人にとって役に立たないばかりか無駄なものかもしれないが、自分にとって価値があるのでそれで良いと思っているということです。

「無用の長物」の語源

「無用の長物」の語源は仏教にあります。

仏教では出家する際の荷物の数が決められており、原始仏教では6個、大乗仏教では18個の物のみで生活をします。

これらはそれぞれ「六物(ろくもつ)」「十八物(じゅうはちもつ)」と呼ばれており、それ以外の物を「長物」と呼んでいたのです。

「長物」の「長」は「長い」ではなく「超える」という意味合いで使われており、本来持つべき数を超えたことを意味しています。

元々の「必要ではない物」という意味が転じ、「持っていても邪魔になる」「役立たず」という意味で使われるようになったというわけです。

「無用の長物」のビジネス上での使い方

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「無用の長物」はビジネス上でも使われることがあることわざです。

ビジネス上での使い方としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

入社が決まってもいない人の為に物品を揃えたりスペースを確保するとは、まさしく無用の長物だ。

文房具や備品のように誰でも使えるものであればともかく、新しく入社する人しか使わないパソコンなどを事前に買っておくのは無駄なことです。

確実に入社する人がいて、なおかつ手配に時間がかかるといった事情がなければ使わずじまいになってしまう可能性もあります。

今回の例では、まだ入社が決まっていない人用に物品を揃えたりスペースを確保するのは邪魔になっているということです。

どんどん仕事を覚えていかないと、次第に無用の長物として扱われてしまうだろう。

仕事をしていく上では、新しい仕事をどんどん覚えてできることを増やしていかないと、無用者として認識されてしまう恐れがあります。

この例だと、どんどん仕事を覚えていかないと役に立たないばかりか、いるだけで邪魔だと扱われてしまうだろうということです。

「無用の長物」の類義語と例文

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「無用の長物」の類義語としては、下記のようなものがあります。

  • 宝の持ち腐れ
  • 月夜に提灯

また上記の類義語を使うと、次のような例文を作ることができます。

どんなに便利な道具でも、単に持っているだけでは宝の持ち腐れだ。

「宝の持ち腐れ」とは「役に立つものや才能をもっているにも関わらず、使いこなせていないこと」という意味です。

「役に立っていない」という点では類似していますが、「無用の長物」のように「あるだけで邪魔になる」という意味はありません。

晴れた日に傘を持ち歩くのは、まさに月夜に提灯だ。

「月夜に提灯」は「つきよにちょうちん」と読み、「役に立たず、不必要なこと」という意味です。

月夜が出ている夜に提灯は必要ないことから、転じて「必要ない」「役に立たない」といった意味で使われます。

「無用の長物」の対義語と例文

童顔
「無用の長物」の対義語は、「枯れ木も山の賑わい」や「蟻も軍勢」といったものが該当します。

それらの対義語を使った例文としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。

「枯れ木も山の賑わいと言いますから、私も今回の会に参加させていただくことにしました。」

「枯れ木も山の賑わい」は「枯れ木でも山の景観をにぎやかにするのに役立つ」や「つまらない者でも数の中に加わると、座をにぎやかにし景気づけになるから、いないよりはましである」といった意味です。

なおこのことわざは自分やその身内、またはそれに準じるものにしか使用できません。

他人に対して使うのは失礼に当たるので、注意が必要です。

蟻も軍勢というように、人が集まるとそれなりに影響力が出てくるものだ。

「蟻も軍勢」は「つまらない者でも、沢山いる方がいないよりはましであるということ」という意味です。

この例だと、一人ひとりの力は微力でも、人数が集まるとそれなりに影響力が出てくるものだということを表しています。

「無用の長物」の英語表現

英語
「無用の長物」の英語表現としては、「Useless stuff」や「White elephant」が適当でしょう。

「Useless stuff」は「役に立たないもの」を意味しており、「Useless」が「役に立たないこと」を、「stuff」が「もの」を表します。

また「White elephant」は直訳すると「白い像」です。

白い象を神聖なものとして扱っているある国の王が、家臣へ嫌がらせとして象を与えました。

よく食べる大きい象を飼育するには大金と広大な土地が必要です。

困った家臣ですが神聖な動物は簡単に手放せないことから「あるだけで邪魔になる無用の長物」として使われるようになりました。

まとめ この記事のおさらい

・「無用の長物」は「むようのちょうぶつ」と読み、「役に立たないどころか、あるだけで邪魔になるもの」を意味することわざ

・「無用の長物」の語源は仏教にあり、元々の「必要ではない物」という意味が転じ、「持っていても邪魔になる」「役立たず」という意味で使われるようになった

・「無用の長物」の類義語としては「宝の持ち腐れ」や「月夜に提灯」といったものが挙げられる

・「無用の長物」の対義語は「枯れ木も山の賑わい」や「蟻も軍勢」などが考えられる

・「無用の長物」の英語表現は「Useless stuff」や「White elephant」が適当