この記事では、「チームワーク」の意味やメリット、チームワークを高めるポイントなどについて考察します。

学校教育やスポーツなどでよく「チームワークが大切」と言われますが、会社組織の中においてもチームワークは重要です。個人の能力があれば、チームワークなんて必要ないと思われるかもしれませんが、企業の生産性をアップさせるためにも欠かせない要素です。

この記事を通して、「チームワーク」の意味やチームワークを高めるポイントなどを理解して、ビジネスパーソンとしてのスキルアップにつなげてください。

チームワークとは


「チームワーク」とは、「チームの成員が目的を達成するための、団結や連携」のことです。ラグビーの標語のようになっている「One for all, All for one」は、まさにチームワークを表現した言葉で、チームのためにいかに個人の能力を発揮するかが重要になります。

チームワークは教育やスポーツの分野に限ったものではありません。最近では、企業の発展を左右するものとして、チームワークが注目されています。チームワークの良し悪しが業績に大きな影響を与えると考えられています。

企業には、さまざまな社員がいて、能力や考え方に大きな違いがあります。この多様な人材をチームとしていかに活用するかが、企業にとって重要な課題になっているのです。

「チーム」と「グループ」の違い

複数の集団で物事に取り組むという形には、「チーム」の他に「グループ」があります。この2つには、どのような違いがあるのでしょうか?

「グループ」は、辞書の解説によると「共通する性質によって一つにまとめられた人間あるいは個体の集団」となっています。また、「チーム」は、「ある目的のために協力して行動するグループ」と解説されています。

企業活動において「チーム」と「グループ」の違いは、「組織行動学」の観点から分析するとよく理解できます。「組織行動学」とは、「組織において、組織の生産性や業績に影響を及ぼす個人行動や、集団行動、そして組織そのものの行動を体系的に研究する分野」で、ビジネススクールなどでも学習する学問です。

組織行動学の権威であるアメリカのスティーブン・P・ロビンス氏は、チームとグループの違いを以下の4つの観点から説明しています。

(1)目標(ゴール)に対する認識の違い
グループのメンバーにとって、グループの目標はあまり重要ではなく、執着もありません。一方、チームは目標こそが最優先で、チームの目標が自分の目標であると認識し、主体的に行動します。

(2)相互影響の有無の違い
互いに干渉することがなく影響を及ぼないのがグループであることに対して、チームはお互いに認め合い助けある集団です。

(3)責任の所在の違い
グループでは個人の責任を第一と考えますが、チームではチームで解決するという認識で、責任もチームのメンバー全員にあると考えます。

(4)メンバーの能力の違い
グループは同じスキルが集まっても成立しますが、チームの場合はそれぞれが異なるスキルを発揮することが重要です。つまり、野球でいえば、ピッチャーだけで練習はできますが、試合をするには他のポジションの選手が必要です。

ビジネスでチームワークが重要視されている背景


今や企業にとってチームワークの在り方が重要な課題になっています。では、ビジネス上でチームワークが重要視されている背景にはどのようなものがあるのでしょうか?

業務の高度化・複雑化

ビジネスのグローバル化や多様化により、業務はより高度化・複雑化しています。グローバル化により、さまざまな国との交渉が必要になっています。英語力だけでなく、コミュニケーション力の優れた人材がメンバーにいないと業務が潤滑に進まないでしょう。

また、人種や性別などを超えたダイバーシティ化、通信環境やAI技術の進歩などにより業務もより複雑になっています。このような業務に対応するためにも、個々の能力を活かしたチームワークが不可欠になっています。

ビジネスサイクルの短縮化

市場には次々と新しい商品やサービスが誕生し、そのサイクルは年々短くなっています。消費者のニーズは多様化するとともに、常に新しいものを求め、各企業では消費者のニーズに対応するために躍起になっているのが現状です。

このようなビジネスサイクルの短縮化に対応するためにもチームワークは大切です。さまざまな意見を検討し、自由な発想の中から新しい商品やサービスを提供しなければなりません。

チームワークが向上するメリット


企業は、チームワークを向上させるためにさまざまな施策をおこなっています。ここでは、具体的にチームワークが向上する代表的なメリットを紹介します。

生産性が上がる

チームワークのもっとも大きなメリットは、生産性があがることです。個人仕事するばあいは、すべてを自分で処理しなければならないので、苦手な分野でも対応するしかなく、時間も手間もかかります。

チームであれば、得意分野だけに集中してでき、作業が遅れているメンバーのサポートも可能です。個々の仕事がスムーズに進み、生産性がよりアップします。

チーム全体の士気が向上する

チームワークでは、ここが自分のスキルを十分に発揮できるので個人のモチベーションが高まり、さらに同じ目的にチーム一丸となって進むため、チーム全体の士気が向上します。これは、個人で仕事する場合には、味わえない高揚感です。

野球やサッカーなどのチームプレイで、意外な能力を発揮する選手が出てくることがよくあります。ビジネスにおいても、チームワークの中でスキルアップすることもめずらしくありません。

イノベーション創出につながる

グローバル化や多様化に対応するためには、組織が硬直化していては上手く機能しません。企業が発展するためには、柔軟な発想と自由なコミュニケーションが不可欠です。これを可能にするのが、チームワークです。

それぞれが思ったことを言い、相手の意見を受け入れ、時には議論をする。チームワークでこのような関係が築ければ、イノベーション創出にもつながり、より大きな利益を生み出すきっかけにもなるのです。

学習する組織として成長する

複雑多様化する中で、従来の経験や知識だけでは企業の成長は期待できません。今、企業に求められているのが「学習する組織」です。組織におけるチームワークは、まさに学習する組織の根幹を担うものと言っても過言ではありません。

目標を達成するためにも、チームで学習し、時には社外の人からの情報を収集して、チームで話し合う、これを繰り返すことで会社全体が学習する組織へと成長していくのです。

チームワークを高める5つのポイント


チームワークは、それぞれ独立した個々の集団でおこなうため、効果的に運営することが必要です。ここでは、チームワークを高める5つのポイントを紹介します。

(1)ビジョンを共有する

チームワークにとって、「ビジョンを共有する」ことが重要です。ビジョンとは、チームワークの背景となる理想像です。「業界に新風を引き起こす」「社会に貢献する」などの壮大なビジョンや「社内売上No.1になる」など、内容はさまざまです。

大切なことは、メンバーひとりひとりがビジョンを理解して、全員で共有することです。ビジョンを共有することで、より力強いチームワークが発揮されます。

(2)チーム全体の目標とメンバーそれぞれの目標を設定する

ビジョンが明確になったら、次にチーム全体の目標を設定します。期間や内容を計画にして、詳細なスケジュールを作成します。同時に、メンバーそれぞれの目標およびスケジュールも設定します。

チーム全体の目標を把握し、個々の作業とスケジュールがわかれば、チームワークは円滑に進行していきます。

(3)メンバー個々の役割を明確にする

チームワークにとって重要なのは、個々が自分の能力を十分に発揮できることです。そのためにも、能力に見合った役割を与えて、メンバーそれぞれがどのような役割を果たすのかを明確にします。

チームの構成メンバーによっては、キャリアや能力にバラツキがあることも少なくありません。キャリアや能力のあるメンバーには、その他のメンバーをサポートする役割を与えることも必要です。

(4)情報共有の仕組みを整える

チームのメンバーに情報が正確に伝わらないと、チームワークは円滑に進みません。作業が遅れているメンバーがいるのに気づかなかったり、進み過ぎてなんとなく待っていたりと、非常に効率の悪い状況に陥ってしまいます。

個々の進捗状況がわかるように、グループウェアやSNSなどを活用して、いつでもメンバー全員が確認できる仕組みを整えましょう。

(5)コミュニケーションを積極的に取り合う

チームワークのメリットは、メンバー同士でサポートできることです。そのためには、積極的にコミュニケーションを取り合うことが大切です。ひとりで不満を抱えていたり、遠慮して黙っていたりしては、チームワークのメリットが活かされません。

特にチームリーダーは、メンバーの状況を把握するためにも、より積極的にコミュニケーションの充実を図ることが求められます。

まとめ この記事のおさらい

  • 「チームワーク」とは、「チームの成員が目的を達成するための、団結や連携」のこと。
  • 「チーム」と「グループ」の違いには、「目標(ゴール)に対する認識」「相互影響の有無」「責任の所在」「メンバーの能力」などがあります。
  • チームワークが重要視されている背景には、「業務の高度化・複雑化」「ビジネスサイクルの短縮化」があげられます。
  • チームワークが向上するメリットは、「生産性が上がる」「チーム全体の士気が向上する」「イノベーション創出につながる」「学習する組織として成長する」など。
  • チームワークを高めるポイントは、「ビジョンを共有する」「チーム全体の目標とメンバーそれぞれの目標を設定する」「メンバー個々の役割を明確にする」「情報共有の仕組みを整える」「コミュニケーションを積極的に取り合う」の5つです。