この記事は2019/03/05に加筆修正いたしました。

職業選択の自由は、基本的人権のひとつとして、憲法で保障されています。
しかし長年勤めた会社を自分の意思で退職する場合、なかなかすんなりとはいかないものです。

  • これまでお世話になった会社や顧客に迷惑をかけたくない
  • それでも退職の意思は変わらない
  • どうすれば角や波風を立てず円満に退職できるだろうか
  • 退職する前に有休を消化しながら考えるべきか

そんなふうに会社を辞めたい気持ちと、辞めるのをためらう気持ちの板ばさみにあって、どっちとも決めかねる場合には、どう対処すれば良いのでしょうか。
この記事では、退職を円満に進めるために必要なことを解説いたします。

なお円満退職に関しては、マイナビAGENTのこちらの記事も参考にしてみてください。
マイナビAGENT 円満退職の方法

円満退職をするための3つのポイント

長年お世話になった会社を、自分の意思で退職するには、事前の根回しと、じゅうぶんな配慮が必要です。
「辞めた会社がどうなろうと関係ない」というわけにはいきません。

「立つ鳥跡を濁さず」といいます。社会人として、あるべきマナーやルールも守れないようでは、どこに転職しても人望は得られません。
ここでは会社を退職するときに配慮すべき点として、3つのポイントを紹介します。

退職をするタイミングを見計らう

長く勤めた会社を退職する際には、雇用保険や年金の切り替えなどの公的手続きをはじめ、業務の引き継ぎや備品類の返却といった、さまざまな事務手続きが必要になります。
それだけに、辞意を表明する時期は早いに超したことはありません。

できれば退職予定の2ヶ月前には直属の上司に辞意を伝えておきましょう。
退職を切り出すタイミングも、きちんと見計らうことが大切です。
就業時間中や、車の運転中は避けましょう。業務を滞らせてしまったり、事故やミスを誘発する可能性があります。

上司にとって部下の退職は精神的にも仕事の上でも大きな負担になります。「よりによって、こんなときに……」と、上司をうんざりさせるようなことをしてはいけません。
退職の告知は、昼休みなどの休憩時間か、仕事を終えたあとで伝えるのが良いでしょう。

朝の就業時間前も避けた方が無難です。一日の業務がもうすぐ始まるタイミングで、部下からいきなり退職を切り出されると、その日の予定が狂ったり、仕事に集中できなくなったりして、心証を悪くする可能性があります。

休憩時間に上司と話す時間がとれない場合は、手が空いたタイミングを見計らって伝えましょう。
退職する日を決める場合も、できるだけ繁忙期を避ける配慮が必要です。

辞める意思と理由をはっきりさせる

まだ辞める決心を固めていない段階で、思いついたように辞意をほのめかすのは、賢明ではありません。上司としては、よほどダメな部下でなければ辞意を撤回するように説得するでしょう。
その結果、辞める意志が簡単に揺らいでしまうようでは、かえって優柔不断な印象を与えてしまうことになりかねません。

仕事を本気で辞めるつもりなら、その理由をきちんと上司に説明できるように、頭の中で何度もシミュレーションを重ねてください。そのうえで上司に辞意を伝えましょう。
ただし、辞める理由が給与や待遇面にある場合は、それをストレートに言ってしまうと、「結局、金の問題か」と強欲な人間に思われる可能性があります。
そうならないように、前向きで私利私欲のない退職理由を考えておきましょう。

退職の際に心の準備ができていないと、上司に引きとめられてしまうかもしれません。その場合の対処法については、以下の記事を参考にしてください。
退職の際に引き止められた場合の対処法 引き止められる理由

退職を決めた後の心構えをしておく

退職を決めたら、次に転職先を決めなければなりません。
かといって勤務中に転職サイトを検索したり、面接を受けに行ったりするわけにはいきません。
給与をいただいている間は、その会社の社員であることを常に意識して、最後まで勤めを果たしましょう。

退職と転職はとても煩雑な作業です。仕事の引き継ぎや退職の各種手続きも、仕事と同時進行で行わなければなりません。
退職日が刻々と近づく中で、仕事と退職手続きと転職活動を同時平行でこなすのは大変ですが、自分が辞めたことで後任が困らないようにきちんと引きつぎをすることも退職者の仕事です。
去ってゆく会社への礼節は決して忘れてはいけません。

退職する際の引き継ぎについては、以下の記事も参考にしてみてください。
退職をする際の業務の引き継ぎについて 引き継ぎをする際のポイント

退職の意思を電話で伝えることは原則禁止

労働者は給与の対価として、仕事に従事する義務があります。
その仕事を辞める時に、勤務先に電話で辞意を伝えるのは、常識的には絶対にしてはならないことです。
労働者が自分の意思で退職するのは自由です。ただし民法には「雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」という条文もあります。
したがって辞意の申し出は、遅くとも退職する日の2週間前までに会社に伝えなくてはなりません。

電話で辞意を伝えてすませるということは、残る2週間も出社する意思がないわけですから、雇用契約に違反する可能性がありますし、勤務先や顧客に多大な迷惑をかけることにもなります。
電話で退職を伝えること自体は違法ではありません。でも一般社会のマナーとしては、これまでお世話になってきた人や組織に迷惑をかけたり失礼になるようなことは絶対にすべきではありません。

もっとも、たとえば以下のような理由で出社が難しくなった場合には、電話以外に辞意を伝える方法がないかもしれません。

 

  • 身体または精神的な不調により、出社が困難になった
  • 身内の入院や介護等の付き添いで出社できなくなった
  • 勤務先の人間関係が著しく悪化し、出社を避けるしかなくなった

 

 

このような状況では電話で辞意を伝えるしかありませんが、その場合はできるだけ早く連絡して、会社側の指示に従いましょう。

電話で退職の意思を伝える際の注意点

やむを得ず、電話で辞意を伝える際には、以下のことを心がけてください。

  • 業務中や朝一番などの多忙な時間を避ける
  • 電話での連絡になったことを謝罪する
  • 退職の意思をきちんと伝える

この場合、電話で連絡すべき相手は直属の上司になりますが、社内の人間関係の悪化などで退職を余儀なくされた場合は、電話でも上司とは話したくない、という気持ちになるかもしれません。
その場合は、人事課の担当者に事情を話して、退職の手続きを依頼しましょう。
もちろん、上司への伝言も依頼しなければなりません。

いずれにせよ、本来なら出社して直接話すべきなのにできなかったことをはっきり伝えて、誠実に謝罪しましょう。その上で退職することを伝えてください。
言い方が悪いと、退職ではなく無断欠勤扱いにされ、懲戒解雇処分を受けてしまう可能性もありえます。

そうなると退職金が支給されなかったり、離職票の退職理由に不都合なことを記載されてしまう恐れがあります。
電話で辞意を伝えただけでは、後でトラブルになったときに「言った、言わない」の水掛け論になってしまいます。
そのようなトラブルを避けるためにも、あとで退職届を内容証明郵便で会社に送付してください。

休職か退職かの判断に迷った場合

退職を考えている人は、今の仕事を続ける意思がない場合がほとんどですが、中にはけがや病気で長期間仕事を休まざるをえない場合もあります。
そのようなときに利用できるのが休職制度です。

「休職」は有給休暇とちがって、法律上の規定や導入義務はありません。それでも多くの企業は従業員に対する福利厚生的な意味で、独自の休職制度を設けています。不慮の事故や重い病気などで長期の入院治療が必要になった場合、休職扱いになれば仕事を免除され、病気やけがの治療に専念するとともに、保険や傷病手当などを受け取ることができます。もしも休職期限内に復職できる可能性があるとしたら、焦って退職する前に休職することを考えましょう。

もしも、うつ病になったら、どうすればよいのか

休職制度を利用する例として、うつ病を患った場合を考えてみましょう。
休職中は有給休暇とちがって給与は支給されません。その代わり、健康保険に加入している会社員で、医師に仕事ができない状態だと診断された場合には、休職の4日目から1年6ヶ月までの間は傷病手当金として、給与額の3分の2を受け取ることができます。

傷病手当の支給については、業務外の病気やケガであること、勤労できない状態にあること、給与の支払いがないことが条件になります。
したがって、退職後に「うつ病」と診断された場合は、そもそも給与がありませんので、傷病手当金を受け取ることはできません。

では失業保険はどうでしょうか。失業保険の受給資格は「失業状態にあること」です。そして失業とは、「労働の意思や能力があるにもかかわらず仕事に就けない状態」と定義されています。したがって、けがや病気で働けなくなった人は失業保険の受給対象外となります。

就業中にうつ病になった場合は、焦って退職したりせず、いったん休職して治療に専念することを心がけましょう。その後、仕事に復帰できれば復帰し、できそうになければ、そのときに退職を考えても遅くはありません。

会社を今すぐ退職したい場合

退職を決意する動機として、仕事に対する嫌悪感や職場のトラブルなどがあれば、「できるなら今すぐ会社を辞めたい!」と思うかもしれません。
ドラマのように机に辞表をたたきつけて、颯爽と会社を去るのは痛快ですが、現実には、労働者が自己都合で即日退職するのはそんなに簡単なことではありません。

無断欠席はNG、最低でも2週間前から伝えておく

若い社員がある朝突然、「俺、今日で辞めます」と電話してきたと思うと、そのまま無断欠勤して連絡もつかなくなった。そんなケースも最近は少なくないそうですが、会社にとっては大迷惑ですし、本人にとっても良いことは全然ありません。

無断欠勤を理由に懲戒解雇処分になれば、退職金は出なくなりますし、離職票の退職理由も「自己都合」ではなく「解雇」になってしまい、再就職に影響が出るからです。
どのような理由があるにせよ、無断欠勤は絶対にしてはいけません。

上司にきちんと退職意思を伝える

民法では、労働者が退職する場合は退職日の2週間前までに辞意を会社側に伝えるように規定されています。
退職する場合は法に従って、なるべく早く上司に辞意を伝えましょう。

後任への仕事の引き継ぎや、残務整理も必要ですし、退職するための事務手続きもあります。
それらを迅速に処理するためにも、上司の指示と理解は不可欠です。

本音では「上司の顔なんか見たくもない」という気持ちでも、そこはぐっとこらえて、辞表を提出して退職の意思と理由を説明しましょう。
どうしても会社に行きたくない場合は、退職届を提出したうえで、有給があれば消化して出社日を削る方法もあります。

転職活動はなるべく早く始める

法律的には、会社に辞意を伝えて退職するまでには、少なくとも2週間の猶予が必要です。
逆に言えば、最短の猶予はわずか2週間しかありません。

その間に仕事の引き継ぎや、退職に必要な書類作成や手続きを整え、同時並行で次の仕事探しにも着手しなければなりません。
一時の感情にまかせて仕事を辞めてしまうと、そのしわ寄せで後々まで苦労することになります。
退職を急いだことが裏目に出ないように迅速かつ計画的に行動し、転職を成功させることが大切です。

会社や仕事を退職についてのおさらい

会社や仕事を退職する際にはいくつか注意点やポイントがあります。

  • 辞める決意が固まるまでは上司に話さない
  • 辞める理由もはっきりとさせておく。金銭面以外の理由を考えておこう
  • 退職するときはできるだけ上司や人事に直接会って辞意を伝えよう
  • けがや病気で退職を考えている場合、まずは休職して治療に専念しよう
  • 急に仕事を辞めるのは、法律的にもマナー的にも許されない
  • 辞める覚悟ができたときは、早めに転職活動を始めよう

退職する際は法律と礼節をわきまえた上で、早め早めに行動するように心がけましょう。

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