事務の仕事は「事務職」とひとくくりにされてしまいがちですが、一般事務、営業事務、人事事務、総務事務、医療事務、貿易事務などに分けられ、それぞれに活躍の場や仕事内容が違ってきます。

この記事では、貿易事務の仕事について、仕事内容やなるための道のり、役立つ資格などを中心に、気になる年収や将来性までを解説します。

貿易事務とは

疑問
事務職とは、社内の書類の作成やファイリング、データ入力、電話やメール対応、来客対応などを受け持つ仕事のことを指します。

ひとくちに事務職といっても種類があり、例えば営業事務なら、営業部に所属して見積書や請求書、プレゼン資料の作成をサポートするなど、営業担当者のアシスタント的な役割を担います。
人事事務なら、採用選考の手続き、社員の異動や入社、退職に関する手続き、給与支払いや保険に関する手続きなどを行います。

この記事で解説していく「貿易事務」は、貿易(輸出入)に関わる企業、主に商社やメーカーなどで書類作成や事務手続きを行う事務職です。

貿易事務は、事務職に必要なPCスキル、作業の正確性、コミュニケーションスキルに加え、貿易に関する基礎知識、英語力が必要とされます。

貿易事務の仕事内容

貿易とは国際間の商品の取引のことですが、海外との輸出入の取引は、商品の受け渡しや代金の支払にトラブルが生じたり、長距離の輸送中に事故が起きる可能性が高かったりと、国内の取引に比べてリスクが高く、手順を踏んで行う必要があります。

そのため、商品の輸出入には数多くの決められた書類の準備や手続きが必要になります。この貿易に必要な書類の準備と手続きを行うことが、貿易事務の主な仕事です。

輸出入に関連する書類は一般的に「貿易書類」と呼ばれ、代表的なものには次のようなものがあります。

・インボイス(Invoice・商業送り状)
貨物の送り状(明細書)のことで、輸出する品物の品名や種類、数量、価格、代金支払い方法などが記載されています。
・パッキングリスト(Packing list・梱包明細書)
輸出入貨物の明細書のことで、パッケージごとの商品(品名)、個数、重量、荷姿、保険金額などが記載されています。
・船荷証券(B/L・Bill of Lading)
荷主と運送人との間で運送契約を結んだことを証明する書類のことで、貨物の運送条件、荷主と運送人の権利義務関係などが記載されています。

このほかにも「信用状(L/C・Letter of Credit)」「為替手形(Bill of Exchange)」などの書類があります。

これらの書類の作成を貿易事務が行います。書類を正確に作成しなければ貿易に支障が出てしまう可能性があるため、内容をきちんと理解できる知識が必要です。
また、貿易書類は英語で記載されていることが多く、英文の作成、読解ができる英語力は必須といえます。

貿易事務は、書類を作成するだけでなく、出荷や輸出、通関などの手配も行います。製品を輸出しているメーカーでの貿易事務なら、工場への出荷依頼、輸送に必要なトラック、船などの手配といった業務があります。

海外の取引先とのやり取りも発生しますので、ビジネス文書やメールを英文で読み書きできるスキルが必要です。

その他の業務としては、出荷、納品した商品をパソコンに入力したり、納期や在庫量を管理する役割もあります。

会社の規模にもよりますが、電話応対や来客対応など、一般事務の業務も兼ねることもあるでしょう。

貿易事務になるには


貿易事務の仕事に就くには、貿易事務として新卒で入社する方法と、ほかの事務職などで経験を積んだ後に、貿易事務に中途入社で転職する方法があります。

方法①:新卒で貿易事務に就職する

貿易事務の仕事に就く道としてスタンダードなのは、新卒の採用で貿易事務に応募することです。活躍の場としては商社、メーカー、海運業者などがあります。

貿易事務になるには、在学中に取得しておく必須の資格はありませんが、応募資格として大卒以上をあげている企業もあります。大学の学歴を持っていたほうが、企業選びに幅が出るでしょう。

方法②:経験を積んでから中途入社を目指す

貿易事務は、輸出入に関わる書類の作成など業界特有の業務がメインになります。中途採用は即戦力として経験者を募集していることが多いですが、未経験者の募集もゼロではありません。

しかし、未経験OKとはいえ事務経験が全くないところからの転職はなかなか厳しいものがあるでしょう。営業事務などで書類作成や受発注業務の経験がある、仕事で英文メールのやり取りをしていた、などの実績があると好条件となるでしょう。

貿易事務は決められた時間までに決められた書類を提出しなければならないなど、時間に正確なことが求められます。処理や時間管理の正確さもアピール材料となります。

会社の規模によっては、貿易事務専任ではなく、一般事務、営業事務と兼務で募集をかけていることもあります。一般事務や営業事務の経験がある人なら、こういった募集を狙っていくと採用されやすいかも知れません。

貿易事務への就職に役立つ資格

ハロー効果
貿易事務の仕事に就くのに必須な資格はありませんが、取得しておくと役立つ資格がいくつかあります。

英語関連の資格(TOEICなど)

貿易事務の仕事では、英語での書類作成や英文でのメールのやり取りなどが日常的に行われます。英語系の資格は持っていて損はありません。

TOEICの点数を応募資格のひとつにしている企業も多く見受けられます。書類作成などの事務なら600点以上、海外との連絡調整も担当するなら700点以上を目安と考えましょう。

貿易事務で必要な英語力は、会話力より読み書きのスキルが断然重要視されます。貿易で使う業界特有の用語も覚えなければなりません。

貿易実務検定試験

貿易実務検定は、日本貿易実務検定協会が運営する民間資格で、貿易実務のエキスパートとしての能力・知識を客観的に測る検定試験です。
平成10年3月に第1回試験が実施され、平成30年5月の時点で約20万人が受験申し込みをしているメジャーな資格です。

A級・B級・C級の3つの級に分かれていて、各級のレベルは次の通りです。

■A級
概ね、3~4年以上の実務経験のレベル
貿易実務において判断業務を行うことができる実力を証明するレベル

■B級
概ね、1~3年以上の実務経験のレベル
貿易実務経験者の中堅層が対象

■C級
概ね、1~3年以上のレベル
定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベル

通関士

通関士は貿易に関する唯一の国家資格で、輸出入の通関業務を輸出入業者の委託を受けて代行する仕事です。

通関士試験は合格率10%前後と簡単に取れる資格ではありませんが、貿易関係の仕事に転職するには持っていると有利な資格です。

受験資格は特になく、学歴、年齢、経歴、国籍等を問わず、誰でも受験することができます。

貿易事務の年収

領収書 再発行
転職サイトdodaの調べによると、貿易事務の平均年収は368万円です。一般事務、営業事務がそれぞれ327万円となっており、貿易事務はほかの事務職に比べると年収が高めです。

事務職とはいえ、貿易の専門知識や高い英語力が求められることから、年収が高めになっていると予想されます。

貿易事務の勤務体系と休日

ワークショップ
貿易事務の勤務時間は、勤務先の企業の就業時間に準じますが、9:00~18:00くらいを定時としている企業が一般的です。作業量が多い場合は残業になりますが、連日深夜に及ぶようなことは考えにくいでしょう。

基本的に土日祝を休日としている企業がほとんどですが、取引をしている海外が祝日にあたらない場合は、祝日に出勤しなければならないケースもあるようです。

貿易事務の将来性

仕事 続かない
グローバル化が進み、インターネットショッピングが盛んになったことから、日本における輸出入の貿易額は年を追うごとに増加しています。今後も輸出入が減少することは考えにくく、貿易事務の仕事は重要が高まることが予想されます。

いっぽうで、書類作成などの定型業務は人手を介さないコンピュータ化が進み、事務の仕事はロボットに置き換えられるという予測もあります。

とはいえ、近い将来に貿易事務のすべてがロボット化されるとは考えにくく、貿易事務の需要がなくなることはないと考えてよいでしょう。

ただ、貿易事務として長く働くにはスキルアップを欠かさない努力も必要です。書類作成が出来るだけではなく、調整や折衝も任せてもらえる人材になることが必要でしょう。

会社に長く在籍すれば、教育やマネジメントに関わることもでてくるでしょう。貿易事務の業務にとらわれず、広い視野でビジネスパーソンとしてのスキルを磨いていくことも大事なのではないでしょうか。

貿易事務がおもに勤める場所

壟断
貿易事務の主な勤務先は、メーカーと商社です。その他には、フォワーダー、物流会社などがあります。会社によって業務の内容が少しずつ違ったり、規模によっては一般事務や営業事務と兼務する場合もあります。

まとめ この記事のおさらい

  • 貿易事務は、貿易(輸出入)に関わる企業で書類作成や事務手続きを行う事務職です。
  • 貿易事務になるには新卒と中途採用の道がありますが、中途の場合はなんらかの事務職経験が求められます。
  • 貿易事務に必須の資格はありませんが、TOEICのスコアが重視されることが多いです。
  • 貿易実務検定試験、通関士も持っていると有利な資格といえます。
  • 貿易事務はほかの事務職と比較して年収は高めです。
  • 貿易事務の主な勤務先は、メーカー、商社、フォワーダー、物流会社などです。
  • 転職エージェントを利用すれば、実際に転職しなくても自分の適正年収や、キャリアプランの相談に乗ってくれます。

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