行政書士という職業があることは知っていても、具体的ににどんな仕事をするのかが分からなかったり、弁護士や司法書士と区別がつかないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、行政書士の仕事内容や弁護士、司法書士との違い、資格試験の難易度と受験資格、気になる休日や年収について解説します。

行政書士とは

36協定とは
行政書士とは、官公署に提出する書類の作成や許可申請の代理を主に行う仕事です。行政書士の取り扱う書類の種類は大変多く、1万種類を超えるともいわれています。

行政書士の仕事内容

行政書士の仕事は大きく3つに分けられます。

1.書類作成代理
行政書士の仕事で一番にあげられるのが書類作成の代行です。
会社設立、風俗営業許可等の「官公署に提出する書類」、内容証明郵便や財務諸表など「事実証明に関する書類」、遺言書や示談書など「権利義務に関する書類」に分けられます。

2.許認可申請の代理
行政書士は、作成した書類を依頼主に代わって官公署などに提出する業務も行います。

3.相談業務
行政書士は、書類作成について依頼者の相談にのる業務が認められています。相談だけを受けることも可能で、企業のコンサルタントのような立場で、経営や法務相談を受けるコンサルティング業をメインとする行政書士も増えてきています。相談~書類作成、提出代理までをトータルで請け負えるのが行政書士の特徴ともいえます。

行政書士の仕事内容は、個人の暮らしに関する業務とビジネスに関わる業務に分けて考えることもできます。代表的なものをそれぞれ紹介します。

▼暮らしに関わる業務

遺言・相続
遺言書作成の支援、相続に関わる書類作成やアドバイスを行います。

契約書
お金の貸し借り、家の賃貸などで結ばれる契約書をはじめ、さまざまな契約書、示談書などを作成します。

内容証明
内容証明郵便、公正証書等の作成を行います。

日本国籍取得
日本国籍の取得を希望する人の申請書類の作成を行います。

民法法務
クーリングオフ手続きや交通事故に関わる書類作成などを代行することができます。

▼ビジネスに関する業務

法人関係手続き
会社や法人の設立に関する書類の作成、申請に関わる業務です。

許認可申請
建設業、運輸業、旅館や飲食店、参議用廃棄物処理業などの開業・変更に必要な許認可申請書類の作成、手続きの代理を行います。

知的財産権
著作権登録の申請業務です。

コンサルティング
さまざまな書類作成に伴う相談業務を通じ、会社経営、法務問題に関してアドバイスを行います。

「行政書士」と「弁護士」の違い

行政書士と同じように士業と呼ばれる職業がいくつかありますが、中でも法律を扱う弁護士や司法書士の仕事が行政書士とどう違うのかは気になるところです。

弁護士は法律相談、書類作成、裁判、交渉など、法律に関わる業務全般に携わることができます。行政書士はその中の官公署などに提出する書類の作成、許可申請の代理やそれにかかわる相談業務を行います。

行政書士になるには行政書士試験に合格する必要がありますが、弁護士の資格を持っている人は無試験で行政書士の資格も有しますので、行政書士の担当する業務は弁護士がすべて行うことができます。

法律に関わる業務は大変範囲が広く、行政書士はその中の決められた領域についての業務を担当しています。

「行政書士」と「司法書士」の違い

法律に関わる広い業務の中で、行政書士とはまた違う領域を司法書士は担当しています。

司法書士の主な仕事は、不動産や会社の登記、供託業務です。裁判に関する業務も認められていますが、扱える範囲が決められています。

行政書士になるには「行政書士試験」の合格が必要

圧巻
行政書士になるには「行政書士試験」に合格しなくてはなりません。試験は毎年1回、11月に全国の都道府県で実施されています。

行政書士試験の受験資格

行政書士試験は、年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。

司法試験などと同じように、特別な学歴や経験が必要だと思っていた人もいるかもしれませんが、行政書士試験は、意外なことに学歴や年齢などの受験資格は定められていません。参考までに、2019年度の合格者の最低年齢は12歳(男女各1人)、最高年齢は79歳(1人)でした。

行政書士試験の難易度

2019年の行政書士試験の試験結果は、受験者数39,821人、合格者数4,571人で、合格率は11.5%でした。参考までに、難関される司法書士試験の合格率は毎年4%前後となっており、これと比べると難易度はやや低くなります。

過去の合格率を振り返ってみると、次のようになっています。

 2019年:11.50%
 2018年:12.70%
 2017年:15.70%
 2016年: 9.95%
 2015年:13.12%
 2014年: 8.27%
 2013年:10.10%
 2012年: 9.19%

平均すると合格率は例年10%前後と合格できるのは10人に1人程度ということになり、簡単な試験とはいえません。ただ、受験資格がなく誰でも受験ができることから、腕試しに受験をしてみたという人も含まれていることが合格率を少し下げているとも考えられます。

合格率にバラつきが見られるのは、行政書士試験が絶対評価であることが一つの要因です。基本的には全体で60%(法令50%、一般知識40%)の合格基準を満たしている人が合格となるため、問題の難易度の違いによって、各年の合格率に違いが生じていると考えられます。

合格基準は法令等が50%以上の正解率、一般知識等が40%以上の正解率、全体で60%以上の正解率となっています。問題の難易度を考慮して補正的措置を加えることがあるとされていますが、補正措置が実施されたのは、今のところ2014年の1度きりです。

試験を受けずに行政書士になるには

踏襲
行政書士になるには基本的に行政書士試験に合格することが必要です。しかし、試験を受けなくても行政書士の資格を有する人がいます。

「弁護士・弁理士・公認会計士・税理士」のいずれかに合格する

行政書士法第二条(資格)一から五には、行政書士となる資格について次のように定義されています。

一 行政書士試験に合格した者
二 弁護士となる資格を有する者
三 弁理士となる資格を有する者
四 公認会計士となる資格を有する者
五 税理士となる資格を有する者

このように、行政書士試験に合格しなくても「弁護士、弁理士、公認会計士、税理士」いずれかの資格を持っていれば行政書士としての資格も有していることになります。

公務員の「行政事務」を長年勤める

前述の資格保有者以外にも、公務員の「行政事務」を長年勤めることでも行政書士の資格を有することができます。

行政書士法第二条(資格)一から五には、行政書士となる資格について次のように定義されています。

六 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び行政執行法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して二十年以上になる者

少し分かりづらいですが、簡単にいうと、公務員もくしは行政執行法人、特定地方独立行政法人の職員で、行政事務に20年以上就いていれば行政書士の資格があるということです。年数については高校を卒業していれば17年になります。

行政事務を担当したというと特別な業務のようにも思えますが、行政事務とは役所の一般事務のことなので、特別な業務経験が必要ということではありません。

行政書士の年収

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行政書士の年収については、日本行政書士連合会が発表した「平成30年度行政書士実態調査集計結果について」が参考にできます。
個人の年収という形のデータはないのですが、年間売上高の調査結果が出ています。従業員なしと回答した人が全体の76.5%を占めていることから、この年間売上高が行政書士の年収としてかなり参考にできるのではないでしょうか。

年間売上高
500万円未満:78.0%
1,000万円未満:11.4%
1,000万円以上:10.6%

中には多くの従業員を抱えている事務所も含まれていますから、行政書士一人当たりの年収にすると、500万円に満たない人が大半を占めていると考えられます。

士業ということで高額な報酬を手にしているイメージもありますが、実際には高額な年収を得ているのは一部分の人だといえます。

行政書士の勤務体系と休日

行政書士の仕事は官公庁と関わりが深いものですので、勤務時間も官公庁に合わせて平日9:00位から18:00位までのところが多いでしょう。土日祝および年末年始、ゴールデンウィークなど、官公庁が閉まるときは行政書士事務所も休みとなるのが一般的です。

気になる残業ですが、仕事が深夜に及んだり休日出勤を強いられるようなケースはほぼないようです。

行政書士の将来性

お人好し
書類の電子化が進んだことで、行政書士の書類代行業務は減少するのではないかという予測があります。しかし、人々の暮らしが多様化し新しい法律が整備されていく中で、許認可に関わる仕事が増えていくことが予想されます。

行政書士資格の保有者が年々増加していく中で活躍していくためには、コンサルティング業務が重要になってくるでしょう。自分ならではの強みを持って他者との差別化を図ることも必要といえます。

行政書士以外に、社会保険労務士や宅地建物取引士などの資格を取得して専門性を身につけることも、ニーズが高まることに繋がるでしょう。

行政書士がおもに勤める場所

行政書士のおもな働き方は「独立開業する」「行政書士法人を設立する」「行政書士法人に雇用される」の3通りがあります。

働き方としては個人開業している人が最も多いですが、法人化することで社会保険に加入できる、経費計上がしやすい、永続性が生じるなどのメリットがあります。

まとめ この記事のおさらい

  • 行政書士の仕事は大きく「書類作成代理」「許認可申請の代理」「相談業務」の3つに分けられます。
  • 暮らしに関する業務には、遺言書作成支援や契約書、内容証明郵便や公正証書の作成などがあります。
  • ビジネスに関する業務には、会社設立、許認可申請、知財権に関する書類作成のほか、コンサルティング業務も行います。
  • 行政書士になるには行政書士試験に合格する必要があります。
  • 弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格を持っている、もしくは公務員として20年以上行政事務についている人は行政書士の資格を有します。
  • 行政書士は独立開業する働き方が多く、年収は500万円程度の人が多いと考えられます。
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