建築や機械など、設計やデザインの現場ではCADと呼ばれるシステムが使われています。就職や転職を考えている人の中には、CADオペレーターの仕事が気になっている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、そもそもCADとは?CADオペレーターの仕事内容は?という基本知識と、CADオペレーターにおすすめの資格を紹介します。

CADとは

CADとは「Computer Aided Design」を略したもので、読み方は「キャド」です。日本語では「コンピューター支援設計」と訳されますが、一般的に「CAD」と呼ばれており、コンピューター支援設計と言われることはまずありません。

コンピューターが広く普及する前は、設計図はドラフターという製図台を用いて手書きで製作されていました。その設計図を、コンピューター上で作図できるようにしたシステムがCADです。
CADが誕生したのは1960年代。初めは航空機など特定の分野のみで使われていました。1980年代になると、コンピューターの小型化や性能の向上などにより、一般企業でもCADが導入されるようになりました。

2次元の製図から始まったCADですが、3次元のCADも登場し、建築や機械などの分野以外にも、インテリアデザイン、ジュエリーデザイン、3Dプリンタ用のデータ作成などに広く活用されるようになっています。今ではものづくりの現場に欠かせないツールといえるでしょう。

CADオペレーターとは

CADの操作を専門に行う仕事がCADオペレーターです。

CADオペレーターの仕事内容

デザイナーや設計士からの依頼を受けて、CADで図面を起こすのがCADオペレーターの中心となる仕事です。製品は幾度となく修正を重ねて完成するものですので、一度作図したら終わりではなく、何度も細かい修正を求められます。
CADオペレーターは設計士とどこが違うの?と思う人もいるかもしれませんが、クライアントと打ち合わせ等を経てどんなものを作るのか形状を決めるのが設計士、設計士が考えた形を図面やデータにするのがCADオペレーターです。CADオペレーターに求められるのはデザインのセンスではなく、設計士やデザイナーの意図を汲みとって形にするという理解力、そして求められた通りに正確に仕上げる技術力です。

CADオペレーターにデザインや設計のセンスや専門的な知識は必要ありませんが、設計や製図の基礎知識は必要です。また、扱っている製品についての基礎知識も必要でしょう。
CADは建設、輸送機器、家電、電子部品、インテリア、ジュエリーなど幅広い業界で利用されています。なんのために使うどんな製品なのかが分からずに作図をするというのは現実的ではありません。業界によって扱うソフトも変わってきますので、CADオペレーターはどんな業界にもマルチに対応するというよりは、特定の業界で活躍するのが一般的です。漠然とCADオペレーターになりたいと考えてるのであれば、自分が興味の持てる業界を目指すとより仕事にやりがいを感じることができるでしょう。

CADオペレーターにCAD資格は必須?

CADオペレーターは特定の資格がないと就けない仕事ではありません。しかし、CADを操るには専門的な知識が必要ですので、CADオペレーターとしての就職や転職を考えているのであれば、なにかしらの資格を取得しておいたほうがよいでしょう。未経験者を募集しているところもありますが、実務は未経験でもスクールを卒業していたり資格を持っていたりと、CAD自体に触れたことのある人が優遇される傾向にあります。

CAD資格のおすすめ5種類

CAD関係の資格は多く存在します。代表的な資格と特徴を紹介していきます。

2次元CAD利用技術者試験

一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する試験で、幅広い業界で認知されているCADの代表的な資格です。1級・2級・基礎があり、1級は機械、建築、トレースに分かれています。
試験は1級が年2回試験会場で実施、2級は全国のCBT会場で実施(試験日は会場による)、基礎はインターネットを介して行うIBTのため試験日程の制約はありません。

対象者
【1 級】1年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有する方を想定。
CADシステムの操作ができるだけではなく、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が対象。
【2 級】CADオペレーターを目指す方、もしくは従事して間もない方を想定。
1級へのステップアップとしてだけではなく、CADシステムの運用やデータの管理に関する業務を目指す方が対象。
【基礎】これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3ヶ月程度の就学者を想定。
2級および1級へのステップアップとしてだけではなく、将来、設計や製図、CADシステムの販売等の業務を目指す方が対象。

受験資格
【1級】2級または1級の有資格者
【2級・基礎】制限なし

試験時間
【1 級】80分・実技試験+筆記試験(25問)
【2 級】60分・筆記試験(60問)(CBT形式)
【基礎】50分・筆記試験(50問)(IBT形式)

試験内容
【1 級】
実技試験(建築)機構部品の作図・適切な数値・投影図からの作図
実技試験(設計)RC図・木造
実技試験(トレース)編集、レイヤ設定能力・トレース能力・投影能力
筆記試験(建築)機械製図の知識
筆記試験(設計)建築製図の基礎知識・建築生産の電子情報
筆記試験(トレース)製図の知識
【2 級】CADシステム・製図
【基礎】CADシステムの知識と利用・CADシステムのプラットフォーム・製図の知識・図形

合格基準
【1 級】実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上
【2 級】CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上
【基礎】総合7割以上

合格率
【1 級】機械27.02%・建築34.69%・トレース58.06%(2019年度後期)
【2 級】50.2%(2018年度)
【基礎】79.60%(2018年度)

3次元CAD利用技術者試験

3次元CAD利用技術者試験と同じく一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する試験です。1級・準1級・2級に分かれています。

対象者
【1 級】3次元CADの半年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有する方を想定。
3次元CADシステムが操作できるだけではなく、3次元設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が対象。
【準1級】3次元CADオペレーター目指す方、もしくは従事して間もない方を想定。
3次元CADを学び、知識と操作の基礎的な部分を習得し、設計の補助業務やオペレーターを目指す方が対象です。
【2 級】3次元CADオペレーター目指す方、3次元CADシステムの周辺業務に従事している方を想定。
準1級、1級へのステップアップとしてだけではなく、関連製品の管理、営業等を担当されている方も対象。

受験資格
【1級・準1級】2級有資格者(併願受験も可)
【2級】制限なし

試験時間
【1級・準1級】120分(2部制)・実技試験+筆記試験
【2級】60分・筆記試験

試験分野
【1 級】CADリテラシー、形状認識能力・アセンブリモデリング能力・2次元図面からのパーツモデリング能力
【準1級】CADリテラシー、形状認識能力・2次元図面からのパーツモデリング能力
【2 級】3次元CADの概念・3次元CADの機能と実用的モデリング手法・3次元CADデータの管理と周辺知識・3次元CADデータの活用

合格基準
【1級・準1級・2級】各分野5割以上、および総合7割以上

合格率
【1 級】35.78%(2019年後期)
【準1級】30.61%(2019年後期)
【2 級】35.78%(2019年後期)

建築CAD検定試験

全国建築CAD連盟が主催する試験です。建築系CADの技能を測る試験で准1級、2級、3級、4級の4等級に分かれています。どの級も受験資格は特にありませんが、4級は高校生の団体受験用なので一般は受験不可となっています。准1級、2級、3級はいずれも実技試験です。

試験内容
【准1級】建築図面(RC構造等)を、自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させます。
【2 級】CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかを問うもの。
【3 級】与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問うもの。

試験時間
【准1級】4時間10分・建築一般図を4面作成
【2 級】5時間・建築一般図を2面作成
【3 級】2時間・参考図をもとに完成図を作成

合格基準
図面すべて完成の場合を合格とする
【2 級】250点満点中 190点~200点を目安とする
【3 級】200点満点中 140点~150点を目安とする

合格率(2019年)
【准1級】24.5%
【2 級】58.6%
【3 級】71.7%

オートデスク認定資格プログラム

オートデスク社の認定資格で、中・上級者向けの「オートデスク認定プロフェッショナル」と初級者向け「オートデスク認定ユーザー」があります。それぞれ各CADツールの知識や技能を図るものです。

<オートデスク認定プロフェッショナル>
オートデスク製品のユーザーとしてプロレベルの高度なスキルを備えた中・上級者向けの認定資格です。AutoDADプロフェショナル」と「Autodesk inventorプロフェショナル」に分かれます。

対象者
「最新の AutoCAD コース」を 400 時間程度使用経験のある方
「最新の Autodesk Inventor コース」を 400 時間程度使用経験のある方

問題数
35問

出題形式
実技操作

試験時間
120分

合格ライン
【AutoDAD】80 パーセント以上の正解率
【Autodesk Inventor】71 パーセント以上の正解率

<オートデスク認定ユーザー>
学生やプロ設計者を目指す社会人に最適な、初級ユーザー向け認定資格です。「AutoCAD」「Autodesk Revit Architecture」「Autodesk Fusion 360」に分かれます。

問題数
30 問

出題形式
【AutoCAD・Autodesk Revit Architecture】選択式+実技操作
【Autodesk Fusion 360】実技操作

試験時間
【AutoCAD・Autodesk Revit Architecture】50分
【Autodesk Fusion 360】75分

合格ライン
【AutoCAD・Autodesk Fusion 360】70パーセント以上の正解率
【Autodesk Revit Architecture】73パーセント以上の正解率

オートデスク社のホームページに出題例が掲載されています。

VectorWorks操作技能認定試験

Vectorworks操作技能を客観的に評価できる基準のひとつとして、Vectorworksの国内総販売元であるエーアンドエー株式会社が主催している試験です。試験の合格者を「Vectorworks操作技能ベーシック合格者」として認定します。受験資格は特にありません。

試験時間
50分・CBT形式

出題範囲
1.Vectorworks基礎・環境(12問)
2.Vectorworks基本機能・作図(25問)
3.Vectorworks活用機能(5問)
4.Renderworks(8問)

合格基準
全体の7割以上が正解している事

CAD資格試験の勉強方法

参考書や過去問で独学する

CADオペレーターの仕事に従事していてステップアップとして上位の資格を狙う人なら、独学での学習もひとつの方法です。初心者はスクールに通う人が多いようですが、2次元CAD利用技術者試験2級など記述式だけの資格試験であれば、参考書や問題集で独学することでの資格取得も可能でしょう。

資格学校や通信講座を利用する

CAD未経験者が資格取得を目指すなら、やはりスクールに通うのが一番確実でしょう。各スクールにはCADの基礎からしっかり学べるCADオペレーター養成講座や、特定の資格取得に特化した講座が用意されています。パソコンやCADソフトを自分で用意しなくても学べるのもメリットです。
自宅に環境がある人なら通信講座での学習も可能です。通学に比べて費用が安いことや自分のペースで学習できるのがメリットです。

CADオペレーター・資格についてのまとめ

  • CADはコンピューターで製図を行うシステムです。
  • CADの操作を専門に行う仕事がCADオペレーターです。
  • CAD関係の資格の代表的なものには「2次元CAD利用技術者試験」「3次元CAD利用技術者試験」「建築CAD検定試験」「オートデスク認定資格プログラム」「VectorWorks操作技能認定試験」などがあります。

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