この記事では、「戸籍謄本」の意味や取り方、類語、疑問点について考察します。

パスポートを申請する時や婚姻届けを提出する時などに必要なのが「戸籍謄本」です。なんとなく戸籍に関係したものとは思っていても、具体的に何がどう記載されているかは詳しく言えないかもしれません。

「戸籍謄本」は、さまざまな手続きにおいて必要な書類です。この記事を通して、「戸籍謄本」の正しい意味や取り方をきちんと理解し、社会人としてスキルアップにつなげてください。

そもそも戸籍謄本とは

「戸籍謄本」とは、「日本人の国籍に関する事項と、親族的な身分関係を登録・公証する公文書」のことで、「こせきとうほん」と読みます。

「戸籍」の「戸」は、古代中国における基礎的な単位である「家」を「戸」という単位で管理したことから始まり、日本に6~7世紀ころに「戸」という制度が施行されたと推測されています。

現在は、夫婦とその未婚の子が単位で、夫婦や養父母の氏名、生年月日、戸主との続柄(長男・長女など)、婚姻歴、離婚歴、死亡などの重要な事項が記載されています。
「戸籍謄本」は原本ではなく、原本の中の事項を写したものです。

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の違い

「戸籍」の写しには、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の2つがあります。

「戸籍謄本」は、戸籍に記載されている全ての内容を写したもので、正式には「戸籍全部事項証明書」と呼ばれています。

一方、「戸籍抄本(こせきしょうほん)」は、戸籍にいる必要な人だけの写しのことです。例えば、長男であれば、その両親の氏名と続柄、生年月日および出生地などが記載されています。正式には「戸籍個人事項証明書」と呼称されます。

では、「戸籍謄本」は、どうやって取得するのでしょうか?

戸籍謄本の取り方①:本人が直接役場で申請する

「戸籍謄本」は、本籍地のある市町村役場であればその場で取得することができます。しかし、本籍地と現在の住所が異なる市の場合は、本籍地の市町村役場に申請しなければなりません。
では、本籍地がわからない人はどうすれば良いのでしょうか?

本籍がどこか分からないときは?

本籍地を知る方法でもっとも簡単なのは、両親に聞くことです。但し、本籍地を父親しか覚えていなくて、存命していない場合は別の方法で調べなければなりません。

その方法のひとつは、現在住んでいる役所で「住民票」を取得しましょう。この際注意すべき点は、申請する際には、本籍地を記載するようにしておくことです。申請書は市町村によって書式が異なりますが、必ず本籍地を記載するかしないかの項目があります。

また、免許証を持っていれば、管轄の警察署や免許更新センター、試験場に設置されているICカード読み取り装置で本籍地が確認できます。

必要なもの

本籍地がある市町村役場で「戸籍謄本」を取得する際には、本人確認できるものが必要となります。運転免許証かパスポート、またはマイナンバーカードや写真付きの住民基本台帳カード(住基カード)を持参します。さらに本人の印鑑が必要です。印鑑は認印(みとめいん)で大丈夫ですが、シヤチハタはNGです。

さらに、手数料(1通450円)がかかりますので、現金を忘れずに用意しましょう。

戸籍謄本の取り方②:代理人が請求する

本籍地のある市町村役場が遠かったり、自分で申請しに行く時間がない場合は、代理人に取得してもらう方法も可能です。

必要なもの

代理人に戸籍謄本を取得してもらう場合は、本人からの委任状が必要です。
委任状の書式は市区町村によって定められている場合があるので、事前に確認しておきましょう。

委任状には、窓口に行く人の情報(氏名、住所、本人との関係)や委任する内容(戸籍謄本もしくは戸籍全部事項証明書)、委任者(本人)の情報(氏名、住所)を記入し、押印(認印)します。但し、両親や兄弟などで同じ戸籍に入っている人が代理人の場合、委任状は必要ありません。

窓口で代理人が申請する場合は、委任状の他に代理人本人が確認できるもの(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、写真付きの住基カードなど)と印鑑(認印)、手数料が必要です。

戸籍謄本の取り方③:郵送で取り寄せる

戸籍謄本は郵送で取り寄せることも可能です。本籍のある市区町村の役所に以下のような必要書類を入れて郵送します。

必要なもの

まずは、戸籍謄本の請求書を作成します。請求書は、役所のホームページからダウンロードできます。また、ホームページから印刷できない場合は、A4用紙に以下の項目が記載されていれば取得可能です。

・「戸籍謄本等の請求書」という題名
・請求年月日、請求者氏名、住所および電話番号
・取得したい戸籍の本籍と筆頭者の氏名
・取得したい戸籍の種類(戸籍謄本もしくは戸籍全部事項証明書)と通数
・請求者と戸籍に記載されている人との関係。請求者と記載されている人が同じであれば「本人」と記載。
・請求理由と使い道

請求項目でもっとも注意したいのが、「請求理由」と「使い道」です。役所の担当者としては正当な理由がなければ発行できません。請求理由が曖昧であると電話で確認したり余計な手間がかかるので、「結婚のため」「パスポート取得のため」などその理由を明確に記載しましょう。

戸籍謄本の請求書以外に、必要なものは本人の氏名や住所が確認できるものの写しです。
運転免許証やパスポート、マイナンバーカードや写真付きの住基カードなど自分が証明できるものをコピーします。

さらに、返信用封筒が必要です。返信用の封筒には宛先に自分の住所と氏名を書き、切手を貼り付けます。

直接役所で戸籍謄本を取得する際には手数料がかかります。1通あたり450円を支払いますが、郵送の場合は普通郵便で現金を郵送することは法律で禁じられています。

このような場合は、郵便局で手数料分の定額小為替(ていがくこかわせ)を購入します。定額小為替とは、正式には定額小為替証書と呼び、小切手のような形状のものです。定額小為替なら、封筒に入れても問題はありません。

以上の書類を封筒に入れて本籍のある役所に郵送します。
請求書を投函してから戸籍謄本が届くまでの期間は、一般的には1週間ぐらいですが、状況によってそれ以上かかる場合もあります。
早く入手したい時は、往復を速達便にするのがベストですが、内容に不備があると時間がかかってしまうので、送る前には不備がないかしっかりと確認することが大切です。

戸籍謄本の取り方④:コンビニで発行する

マイナンバーカードや住基カードを持っていれば、コンビニで戸籍謄本を取得することも可能です。但し、対応していない市町村もあるので、まずは取得できるかどうか確認しておきましょう。コンビニで取得する場合、住んでいる住所と本籍の市区町村が異なる場合は、事前登録が必要になります。

必要なもの

マイナンバーカードもしくは住基カード(住民基本台帳カード)。但し、住基カードの場合は、市町村役場の窓口でコンビニ発行に必要なアプリケーションを搭載し交付する証明書ごとに暗証番号を設定しなければなりません。

コンビニでの取得方法

ここでは、住所と本籍が同じ市区町村の場合で紹介します。

①店舗に入ったらマルチコピー機(キオスク端末)を捜し、マルチコピー機のメニューの中から「行政サービス」を選択してください。

②利用上の同意事項が表示されるので、「同意」を押すと、「証明書交付サービス」と「戸籍証明交付の利用登録申請」の選択画面が表示されます。

③「証明書交付サービス」を選び、マイナンバーカードをセットします。

④自分が住んでいる市町村の証明書か、他の市区町村の証明書かの選択画面になるので、ここでは「お住いの市区町村の証明書」を選択します。

⑤暗証番号の入力画面になり、マイカードの交付時に設定した暗証番号を入力して、カードを取り出します。

⑥必要な証明書の選択画面が表示されたら、「戸籍証明書」を選び、「本人のみ」「世帯全員」「世帯の一部」の中から、「世帯全員」を選択します。

⑦次に、「世帯主・続柄の記載」「本籍地・筆頭者の記載」などの記載事項を「有」にして、部数を入力します。

⑧発行内容を確認して、「確定する」を押します。

⑨表示された手数料を投入口に入れると、証明書が印刷されます。

戸籍謄本Q&A

いざという時に必要な「戸籍謄本」ですが、「あれ、これって大丈夫?」と疑問に思うこともあるでしょう。ここでは、代表的な2つの疑問にお答えします。

戸籍謄本に有効期限はある?

Q.「戸籍謄本」が必要な時に、数年前に取得した戸籍謄本が出てきたら、それは使えるのでしょうか?

A.法律的には、戸籍謄本に有効期限の規定はありません。しかし、数年前の戸籍謄本と現在では記載内容が変わっている可能性は否定できません。
申請する内容によって、「3か月以内」や「6か月以内」などの条件がついている場合があります。申請する前に、戸籍謄本の有効期限を確認することが大切です。

戸籍謄本は未成年でも取得できる?

Q.16歳の高校一年です。パスポートを取得するのに戸籍謄本が必要なのですが、両親が忙しく役所に行けません。未成年でもひとりで取得できるでしょうか?

A.戸籍謄本に記載されている親族であれば、未成年でも申請は可能です。申請時には、本人確認が必要ですから、学生の場合は健康保険証と学生証があれば大丈夫です。

まとめ この記事のおさらい

・「戸籍謄本(こせきとうほん)」とは、「日本人の国籍に関する事項と、親族的な身分関係を登録・公証する公文書」のこと。
・「戸籍謄本」は、戸籍に記載されている全ての内容を写したもので、「戸籍抄本(こせきしょうほん)」は、戸籍にいる必要な人だけの写しのことです。
・戸籍謄本の取り方には、「本人が直接役所で申請する」「代理人が請求する」「郵送で取り寄せる」「コンビニで発行する」などがあります。
・戸籍謄本に有効期限はありませんが、申請する内容によって「3か月以内」「6か月以内」などの条件があります。
・戸籍謄本は記載されている親族であれば、未成年でも取得可能。