ここ数年、海外からの留学生の数は増加の一途をたどっています。それに伴い日本語を学ぶ外国人が増え、日本語教師という仕事が注目されるようになりました。
この記事では、日本語教師になるために取得していると有利な資格である「日本語教育能力検定試験」について、受験資格や出題範囲などの試験概要から、気になる合格率や難易度などを解説します。

日本語教育能力検定試験とは

日本語教育能力検定試験は、公益法人日本国際教育支援協会が主催する資格で、日本語教員となるために学習している方、日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定することを目的としています。

日本語教育能力検定試験は国家資格ではありませんが、日本語教師としての知識を問う資格として広く知られています。

日本語教師として働くための基礎的な資格

日本語教育能力検定試験は、日本語教育に携わる人に必要とされる基礎的な知識や能力を有しているかどうかを問うものです。

日本語教師の求人を見ると、おおよその学校で「大学または大学院で日本語教育主専攻または副専攻を修了していること」「文化庁認定の420時間の日本語教師養成講座を修了していること」「日本語教育能力検定試験に合格していること」のいずれかが応募条件になっています。

日本語教育能力検定試験の概要

受験資格

日本語教育能力検定試験は、学歴や年齢などの受験資格はありません。誰でも受験することができます。
令和元年の受験者を年代別に見てみると、50代が一番多くなっています。全受験者9,380人の年代別の内訳は次の通りでした。60歳以上の比率も高く、幅広い年代が受験していることがわかります。

20歳未満:54人
20~29歳:1,777人
30~39歳:1,468人
40~49歳:1,992人
50~59歳:2,353人
60歳以上:1,736人

出題範囲

日本語教育能力検定試験の出題範囲は次の通りです。★の「基礎項目」は優先的に出題されます(ただし全範囲にわたって出題されるとは限りません)。
問題は言語の知識だけにとどまらず、歴史や文化、コースデザインなど広い範囲から出題されます。

1 社会・文化・地域
1.世界と日本
 (1)諸外国・地域と日本
 (2)日本の社会と文化★
2.異文化接触
 (1)異文化適応・調整★
 (2)人口の移動(移民・難民政策を含む。)
 (3)児童生徒の文化間移動
3.日本語教育の歴史と現状
 (1)日本語教育史★
 (2)日本語教育と国語教育
 (3)言語政策★
 (4)日本語の教育哲学
 (5)日本語及び日本語教育に関する試験★
 (6)日本語教育事情:世界の各地域,日本の各地域
4.日本語教員の資質・能力

2 言語と社会
1.言語と社会の関係
 (1)社会文化能力★
 (2)言語接触・言語管理
 (3)言語政策★
 (4)各国の教育制度・教育事情
 (5)社会言語学・言語社会学★
2.言語使用と社会
 (1)言語変種
 (2)待遇・敬意表現★
 (3)言語・非言語行動★
 (4)コミュニケーション学
3.異文化コミュニケーションと社会
 (1)言語・文化相対主義
 (2)二言語併用主義(バイリンガリズム(政策))
 (3)多文化・多言語主義★
 (4)アイデンティティ(自己確認,帰属意識)

3 言語と心理
1.言語理解の過程
 (1)予測・推測能力
 (2)談話理解★
 (3)記憶・視点
 (4)心理言語学・認知言語学
2.言語習得・発達
 (1)習得過程(第一言語・第二言語)★
 (2)中間言語★
 (3)二言語併用主義(バイリンガリズム)
 (4)ストラテジー(学習方略)★
 (5)学習者タイプ
3.異文化理解と心理
 (1)社会的技能・技術(スキル)
 (2)異文化受容・適応★
 (3)日本語教育・学習の情意的側面
 (4)日本語教育と障害者教育

4 言語と教育
1.言語教育法・実技(実習)
 (1)実践的知識・能力★
 (2)コースデザイン(教育課程編成),カリキュラム編成★
 (3)教授法★
 (4)評価法★
 (5)教育実技(実習)★
 (6)自己点検・授業分析能力★
 (7)誤用分析★
 (8)教材分析・開発★
 (9)教室・言語環境の設定★
 (10)目的・対象別日本語教育法★
2.異文化間教育・コミュニケーション教育
 (1)異文化間教育・多文化教育★
 (2)国際・比較教育
 (3)国際理解教育
 (4)コミュニケーション教育★
 (5)異文化受容訓練
 (6)言語間対照★
 (7)学習者の権利
3.言語教育と情報
 (1)データ処理
 (2)メディア/情報技術活用能力(リテラシー)★
 (3)学習支援・促進者(ファシリテータ)の養成
 (4)教材開発・選択★
 (5)知的所有権問題
 (6)教育工学

5 言語一般
1.言語の構造一般
 (1)言語の類型
 (2)世界の諸言語
 (3)一般言語学・日本語学・対照言語学
 (4)理論言語学・応用言語学
2.日本語の構造
 (1)日本語の構造
 (2)音声・音韻体系
 (3)形態・語彙体系
 (4)文法体系
 (5)意味体系
 (6)語用論的規範
 (7)文字と表記
 8)日本語史
3.コミュニケーション能力
 (1)受容・理解能力
 (2)言語運用能力
 (3)社会文化能力
 (4)対人関係能力
 (5)異文化調整能力

試験の日程

試験は年1回、10月に実施されます。令和2年の試験日程は次の通りです。

試験日:10月25日(日)
受付期間:6月22日(月)から8月3日(月)まで(当日消印有効)(予定)
結果発表:12月25日(金)(予定)に受験者全員に文書をもって通知

受験料

受験料は10,800円(税込)(予定)です。

日本語教育能力検定試験の受験申込は、受験案内(400円)に付属の願書をを日本国際教育支援協会に提出します。受験案内は全国主要都市の書店で販売されています。
受験案内には「受験願書」「振替払込用紙」「出願書類提出用封筒」が付属しているので、出願期間中に振替用紙を使って受験料を払い込み、「振替払込受付証明書」を願書とともに提出用封筒に入れて郵送します。

受験地

令和2年の受験地は「札幌・仙台・東京・愛知・大阪・広島・福岡」の予定です。各都市内の会場は受験票にて知らされます。会場は受験者数などを考慮して決められますので、毎年同じ場所とは限りません。参考までに、令和1年の試験会場は次の通りでした。

札幌:札幌科学技術専門学校 大通りキャンパス
仙台:仙台医療福祉専門学校
東京:東京大学 駒場Ⅰキャンパス・明治大学 和泉キャンパス・昭和女子大学・武蔵野大学 武蔵野キャンパス
名古屋:名城大学 八事キャンパス・TKP名古屋栄カンファレンスセンター
大阪:大阪大学 豊中キャンパス・大阪産業大学 中央キャンパス
広島:広島女学院大学・県立広島大学 広島キャンパス
福岡:九州産業大学

日本語教育能力検定試験の合格率・難易度

令和元年の試験は、全受験者数9,380人、合格者2,659人、合格率は28.3%でした。ここ10年の合格率を見ても25%前後で推移しています。
国家資格で難関といわれる資格には合格率が一桁のものもあり、それて比べれば難易度がたいへん高いとはいえませんが、25%前後の合格率というのは決してやさしい試験ではありません。きちんとした対策をして試験に臨むことが必要でしょう。

受験者の受験回数別の内訳を見ると、初回受験が72.5%、2回目が16.8%、3回目が5.9%、4回目が4.3%となっています。合格するまで何度でもチャレンジしている人は多くないのかもしれません。

日本語教育能力検定試験の勉強方法

日本語教育能力検定試験は、多くのスクールが対策コースを実施しています。日本語に関する勉強をいちからはじめる人や、どうやって勉強したらよいか悩んでいる人は、スクールを利用するのが確実でしょう。
スクールといっても何年もかけて学ぶのではなく、試験前の3か月程度、時間にして30時間~90時間程度のカリキュラムを組んでいるスクールが大半です。
スクールは受講料がかかるのが難点ですが、模擬実習があったり就職支援を受けることができるところもあります。一発合格を目指す人や合格後すぐに日本語教師として働き始めたい人にはうれしいメリットです。

独学でも合格できる?

日本語教育能力検定試験は独学で対策をする人も少なくありません。試験対策にあまりお金をかけたくない人、決まった時間にスクールに通うのが難しい人、他の資格試験受験の経験があって試験勉強に慣れている人などは、独学でチャレンジしてみてもよいでしょう。

独学の基本は対策本を読み込むことと過去問を解くことです。各社から発売されている日本語教育能力検定試験の対策本や用語集、試験主催の日本国際教育支援協会から発売されている過去問題集を活用しましょう。

独学での試験対策期間は、スクールを利用する場合より長くかけるのが一般的です。半年~1年を目安にコツコツ勉強し、直前に過去問を集中的に解いて仕上げをするのが基本的な勉強法です。

日本語教育能力検定試験についてのまとめ

  • 日本語教育能力検定試験は、日本語教育に携わる人に必要とされる基礎的な知識や能力を有しているかどうかを問うものです。
  • 日本語教師を目指すには取得しておくと有利な資格といえます。
  • 日本語教育能力検定試験の問題は言語の知識だけにとどまらず、歴史や文化、コースデザインなど広い範囲から出題されます。
  • 試験は毎年10月に全国6都市で実施されます。受験料は10,800円です。
  • 令和元年の試験合格率は28.3%でした。ここ10年の合格率を見ても25%前後で推移しています。
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