アニメーション制作の工程では、プロデューサー、ディレクター、脚本家、作画担当、声優など多くのスタッフが関わっています。
この記事では、作画を担当する「アニメーター」について解説します。アニメーターの仕事内容や仕事に就くにはどうしたらいいのかなどの基本的なことから、アニメーターに向いているのはどういった人なのかや、気になる年収、休日などを、アニメの世界を知らない人でもわかるように説明します。

アニメーターとは

アニメーション制作の現場では、さまざまな役割のスタッフが仕事をしています。その中で作画を担当するのがアニメーターです。

アニメーターの仕事内容

アニメーターの仕事はアニメーション制作の過程のひとつですので、アニメーション作品はどのような流れで制作されるのかを説明しながら、アニメーターの仕事に触れていきます。

アニメーション作品は大まかに次のようなステップを踏んで作られます。

企画立案
どんな作品を作るのか、おおもとの企画です。プロデューサーやスポンサーが参加して会議を重ね、作品のターゲット、テーマやコンセプト、予算などを決定します。どんな風にプロモーションをするか、キャラクターグッズの販売はどんな方法で行うかなどもこの段階で大枠が決まります。

シナリオの作成
企画に基づいて、脚本家がシナリオを作成します。演劇で言うところの台本で、誰がどこで何をするのか、場面やキャラクターの行動、セリフが記されています。

絵コンテの作成
絵コンテとは、カット割り、構図、セリフなどを、簡単なイラストと文字であらわしたものです。アニメーション制作の設計図ともいえます。

レイアウトの制作
絵コンテをもとに画面の構図を作る作業です。大まかな背景やキャラクターの配置、動きを決めていきます。

原画
ここからはいよいよ作画となりアニメーターが担当する仕事です。原画はキャラクターの動き始めと動き終わり、節目となるポイントを描きます。作品の世界観やストーリーに合わせて表現を考えながら描いていく、アニメーション制作において大変重要なステップで、監督や演出家とイメージをすり合わせながら進めます。

動画
動画もアニメーターが担当する仕事です。原画は動きの始まりと終わりが描かれたもので、それだけでは動きを表現することができません。初めと終わりの間の動きを何コマかに分けて描くのが動画です。原画をクリップで固定してトレースし、少しずつポーズや表情を動かした絵を描いていく、なかなか根気のいる作業です。

彩色
完成した絵に色を付ける工程です。かつては全てを手作業で色付けしていましたが、現在ではコンピューターによる彩色が主流となっています。

撮影
背景やキャラクターを合成し、効果をつけて映像を作っていく作業です。現在ではほとんどがパソコンで行われています。かつては撮影台に背景を置いてセル画を重ねて実際にカメラで撮影をしていました。パソコンでの処理となった今では撮影は行わないのですが、この工程は今でも「撮影」と呼ばれています。

アフレコ・ダピング
出来あがった映像に効果音やセリフを加える工程です。アフレコはアフターレコーディングの略で、映像に合わせて後から音声を入れることをいいます。参考までに、先に収録した音声に合わせて映像を制作することをプレスコ(プレスコアリング)といいます。

アニメーターの仕事は原画と動画を描くことです。原画と動画は別々のスタッフが担当し、制作現場では、原画を描く担当を「原画マン」、動画を描く担当を「動画マン」と呼びます。

原画と原画の間の絵を描くのが動画マンの仕事で、アニメーターはまず、この動画マンの仕事から始めることになります。動画マンとして数年経験を積むと、原画の仕事も任せてもらえるようになります。原画マンになるまでの期間は現場の状況や実力を考慮することになり人それぞれですが、早くても2年目から、場合によっては5年前後、動画マンを続ける人もいます。

原画マンとして実力が認められれば、作画の現場をまとめる「作画監督」のポジションにつけることもあります。作画は複数のアニメーターが手掛けるため、どうしても絵にばらつきが生じます。作画監督はされを最終チェックし、修正を加えてまとまりのある絵に仕上げます。

アニメーターの仕事はきつい?

アニメーターの仕事の過酷さは、昨今SNSなどのメディアで話題になっています。

アニメーターの報酬は基本的に出来高制で、描いた枚数に応じて1枚いくらで報酬が発生します。もちろんたくさん描けばそれだけ収入が増えますが、求められるクオリティに仕上げなくてはなりませんから、できる仕事量には限りがあります。

デスクに向かって根を詰めてする作業で、量をこなさないと収入が増えないという状況がストレスになり、辞めていく人もいるようです。数年は下積みと思って頑張る、という覚悟が必要な仕事かもしれません。

アニメーターに向いている人の特徴

アニメーターに向いているのはどんな人なのでしょうか。特徴をいくつか紹介します。

■アニメがとにかく好き
あたり前のことのようですが、アニメがとにかく好き、アニメーション業界でどうしても働きたい、という強い情熱を持っている人が向いています。アニメーターの仕事は、同じような絵を何枚も描き続ける作業です。単純作業な部分もあり、人によっては飽きてしまって続けるのが難しいこともあるでしょう。自分がコツコツ描いた絵が作品になるのが楽しみだと思える人ならきっと続けられるでしょう。

■健康な人
これもあたり前のようなのですが、アニメーション制作の現場は、締め切り前は寝る時間もないくらいタイトなスケジュールになります。体調を崩して思ったような仕事ができなくなると全体のスケジュールが狂ってきてしまいます。ちょっとくらい徹夜しても大丈夫、というような体力に自信がある人の方が安心です。

■スピーディーにこなせる人
絵を描くスピードはもろん、次はこうしよう、こうすれば効率がいいんじゃないか、と切り替えが早く、スピーディーに物事を判断する力があると、仕事の進み方が段違いに早くなります。アニメーターは限られた時間のなかで大量の作業をこなす必要がある仕事なので、じっくりゆっくり考えるよりも、スピーディーに判断しスピーディーに動ける人のほうが向いているでしょう。

■精神的にタフな人
アニメーターの仕事は、同じような絵を何枚も繰り返し描かなくてはなりません。締め切り近くには作業が深夜に及ぶこともあり、なかなか終わりの見えない作業にストレスを抱える人も少なくありません。アニメーターは体力的にはもちろんのこと、精神的にもタフであることが必要です。

アニメーターになるには

特別な資格は不要

アニメーターになるのに特別な資格は必要ありません。アニメーターに一番必要なのは画力です。画力といってもただ単に絵が上手というものではなく、アニメーションのプロとしてのスキルが必要です。デッサン力、画面構成力、要請に応じてさまざまタイプの絵を描くやセンスなど、さまざまな技術が求められます。

そのため、アニメーターを目指す人の多くは、アニメーションの専門学校やアニメーション学科のある大学に通って基本的なスキルを身につけた後、制作会社に就職してアニメーターとして活躍する道を歩みます。

①:専門学校を卒業して制作会社に就職する

アニメーターを目指す道として最もスタンダードなのが、アニメーションの専門学校で学ぶことです。専門学校にはアニメーターをはじめ、脚本、演出、キャラクターデザインなど、アニメーション業界を目指すさまざまな人が集まっています。同じ業界を目指す人と情報交換が出来るのも専門学校のよいところです。
実践的に学べる授業が中心で、アニメ業界とのつながりをウリにしているところもあり、就職に強いのも専門学校で学ぶ利点といえます。

②:4年制大学を卒業して制作会社に就職する

専門学校だけでなく、4年制大学の中にもアニメーション学科などアニメーションに関する学部、学科を置く大学は多くあります。4年かけてアニメーションに関する幅広い知識をじっくり身につけることができるのと同時に一般教養も学べ、大学卒業の学歴が得られるのが4年制大学で学ぶメリットといえます。

③:独学で勉強して制作会社に就職する

アニメーターを目指すには、専門学校や大学に通ってスキルを身につけるのがスタンダードですが、中には独学からアニメーターになる人もいます。独学だと自分の好きなことに偏って勉強しがちになるので、いろいろな種類の絵を練習することを心がけなければいけません。
独学では自分の絵を評価してもらう機会が少ないので、ポートフォリオを制作会社に持ち込んで第三者の意見を聞くことも勉強のひとつとなるでしょう。

アニメーターの年収・給料形態

アニメーターはフリーランスとして働くのが主流で、報酬は出来高制の場合がほとんどです。相場は原画が1枚2,000円~2,500円くらい、動画は1枚150円~250円くらいです。多くはありませんが、正社員での募集もあります。この場合は、月給20万円くらい~の募集が主流となっています。

業務委託の動画マンは数をこなさない事には収入に結びつかないため、報酬が見合わないきつい仕事といわれることもあります。

アニメーターの勤務体系と休日

アニメーターはフリーランスで働く人が多い仕事です。締め切りまでに依頼された仕事を納める形式なので、勤務時間は自分で決めることになります。掛け持ちで仕事を請け負ったりタイトなスケジュールの仕事を受けた場合には、朝から晩まで描き続ける日が続くこともあるでしょう。

社員として働いている場合は会社の勤務時間に準じますが、締め切りが近くなれば作業が深夜に及ぶことも珍しくありません。

アニメーターの将来性

アニメーターの将来を考える場合、ポイントとなる3つのことがあります。

ひとつめは報酬の安定についてです。アニメーターの仕事は基本的に出来高制で、特に動画マンの新人時代は生活できる満足な給料を得るのに苦労する人が多い業界です。新人が早く上の仕事に就ける環境や待遇の改善が望まれます。

ふたつめは動画の制作を海外への発注するケースが増えていることです。近年はアニメ自体の制作数も増えたことから、人手不足による海外発注が増えています。
みっつめは作画がデジタルに移行してきていることです。もちろんデジタル可されても人の手は必要ですが、アニメーターに求められる技術が変化してきているのも現状です。

不安要素もあるとはいえ、日本のアニメは世界的に高く評価されています。労働環境や給料のことがメディアで取り上げられたこともあり、アニメーターが働きやすい環境が徐々に整っていくことは充分に期待できるでしょう。

アニメーターがおもに勤める場所

アニメーターは主にアニメ制作会社に勤務します。正社員として雇用される場合もありますが、多くはフリーランスで1本、1カットなどの契約で仕事をします。制作会社に常駐して作業する人が多いですが、自宅など別の場所で作業する人も多くいます。

アニメーターについてのまとめ

  • アニメーターはアニメーション制作の過程で作画を担当する役割です。
  • 動きの要所の絵(原画)を描く原画マンと、原画を繋ぐ絵(動画)を描く動画マンに分かれて担当します。
  • アニメーターになるには特に資格は必要なく、専門学校や大学のアニメ学科で学ぶのが一般的な道です。
  • アニメーターの報酬の相場は、原画が1枚2,000円~2,500円くらい、動画が1枚150円~250円くらいです。
  • アニメーターは制作会社と契約してフリーランスで働く人が多くなっています。

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