司法書士は、個人や企業の依頼を受けて、登記・供託の手続きや裁判所・検察庁・法務局に提出する書類の作成を代行する仕事です。普段はあまり接することのない職業ですが、不動産の売買や会社の登記などの際にはお世話になることがあります。

司法書士は国家資格で、司法書士試験に合格しなければ司法書士として働くことが出来ません。この記事では、司法書士試験の概要や特徴、難易度や勉強法を解説します。

司法書士試験とは

司法書士試験について説明する前に、司法書士の仕事に簡単に触れておきます。

司法書士の仕事

司法書士の業務は多岐に渡ります。主な業務は次のようなものです。

■不動産登記業務
土地や建物の登記にに関する業務です。土地の売買、相続などによる所有権移転、ローンを組んだ際の抵当権設定・解除などの登記業務を代行します。

■会社や法人の登記業務
会社や各種法人の設立手続きや、役員の変更登記などの商業登記申請を代行します。

■成年後見に関する業務
成年後見制度とは20歳以上の成年者で判断能力が「不十分な」方の意思を補完するための後見制度です。司法書士は制度の支援を全般的に行っていて、家庭裁判所に提出する申立書類等の作成をするほか、司法書士が後見人、保佐人、補助人となることもあります。

■裁判に関する業務
司法書士は地方裁判所や家庭裁判所に提出する各種の書類を作成します。また、また簡易裁判所の管轄に属する事件(訴額が金140万円以内)については法務大臣の認定を受けた司法書士が弁論活動を行う等、訴訟の代理をすることが出来ます。

■供託業務
供託とは、当事者間にトラブルがあって支払うべきお金を受け取ってもらえない場合に、供託所にお金を預けることによって不払いを未然に防ぐ制度です。供託の書類作成や手続き代行を司法書士が行います。

司法書士の仕事とは|行政書士との違い・試験の難易度・年収について解説

司法書士になるために必要な国家試験

司法書士は国家資格です。司法書士になるためには、司法書士試験に合格する必要があります。

もうひとつ司法書士になる方法として、裁判所事務官、裁判所書記官などの職務に10年以上従事し、法務大臣の認定を受けるというものもあります。しかし、裁判所事務官、裁判所書記官などの業務が10年以上必要というハードルの高いものなので、司法書士試験合格を目指すのが一般的といえます。

司法書士試験の概要

受験資格

司法試験は、年令、性別、学歴等に関係なく、誰でも受験することができます。

難関とされる司法書士試験ですが、意外なことに学歴などの受験資格はありません。参考までに、2018年度の合格者の最低年齢は19歳(1人)、最高年齢は80歳(1人)でした。

試験科目

司法書士試験の筆記試験は、午前の部と午後の部に分けて、次の科目が出題されます。

[午前の部]多肢択一式・計35問・105点
憲法(3問)
民法(20問)
刑法(3問)
商法(会社法)(9問)

[午後の部]多肢択一式・計35問・105点
民事訴訟法(5問)
民事執行法(1問)
民事保全法(1問)
司法書士法(1問)
供託法(3問)
不動産登記法(16問)
商業登記法(8問)

[午後の部]記述式・計2問・70点
不動産登記法 〔1問〕
商業登記法 〔1問〕

これらの科目のうち、出題数の多い「民法」「商法(会社法)」「不動産登記法」「商業登記法」は「主要4科目」、それ以外の科目は「マイナー科目」と呼ばれています。

試験の日程

試験は例年、筆記試験が7月、口述試験が10月に実施されます。受験申請の受付は5月で、最終合格者の発表は11月です。
2019年度は次の日程で実施されました。

[受験申請受付]
5月7日~5月17日

[筆記試験]
7月7日
午前の部:午前9:30~午前11:30まで
午後の部:午後1:00~午後4:00まで

[筆記試験結果発表]
10月3日

[口述試験]
10月15日(時間は口述試験受験票に記載されます)

[最終合格者発表]
11月5日

受験料

受験手数料は8,000円です。受験申請書に8,000円分の収入印紙を貼付して納付します。

受験地

2020年度以降に実施される試験において、試験会場が減ることが法務省より発表されています。

司法書士試験の受験申請者数が減少していることや他の国家試験における筆記試験の実施状況を踏まえ,平成32年度(2020年度)以降に実施する司法書士試験の筆記試験については,以下の15か所の法務局又は地方法務局の管轄区域内の会場において実施する予定としておりますので,お知らせします。

【平成32年度(2020年度)以降に司法書士試験(筆記試験)を実施する法務局又は地方法務局】

東京,横浜,さいたま,千葉,静岡,大阪,京都,神戸,名古屋,広島,福岡,那覇,仙台,札幌,高松

平成32年度(2020年度)以降に実施する司法書士試験(筆記試験)の会場について

口述試験については、2020年度以降もこれまでと同様、全国8か所の法務局が指定した場所で実施の予定です。

司法書士試験の特徴

「筆記試験」と「口述試験」がある

司法書士試験は、筆記試験と口述試験があります。まず筆記試験が実施され、合格者が口述試験を受けることになります。

口述試験は、面接官2名との約15分の面接形式で、面接官からの質問に返答する形で行われます。試験科目は、「不動産登記法」「商業登記法」「司法書士法」です。

面接はじっくり考えて解答かる筆記とは違い、瞬時に質問に回答しなければならないため、相当難しいのではないかと思われがちです。確かに簡単ではないかもしれませんが、最後に実務知識を確かめるための儀礼的に行われる試験ともいえ、実際に口述試験で不合格になる人はほぼいません。内容も筆記試験で出題された科目ですので、緊張せずに臨めるような準備をしておけば心配ないでしょう。

合格基準は絶対評価ではなく相対評価

司法書士試験は絶対評価ではなく相対評価を採用しています。絶対評価では合格点を満たす人は全員が合格となりますが、相対評価は成績上位者〇%を合格とします。絶対評価は試験の難易度によって合格率が大きく変化する場合がありますが、相対評価は試験の難易度に左右されることがありません。

基準点による足切りが設定されている

司法書士試験は、午前の部(多肢択一式)、午後の部(多肢択一式)、午後の部(記述式)の各成績のいずれかが一定の基準点に達しない場合は、それだけで不合格となります。2018年度の各部の基準点は次の通りでした。

午前の部(多肢択一式):105点中78点
午後の部(多肢択一式):105点中72点
午後の部(記述式):70点中37点

得意な科目で得点を稼げばOKということが通らない仕組みなので、苦手科目をつくらないように、どの科目についてもまんべんなく勉強しておく必要があります。

司法書士試験の難易度

合格率

司法書士試験は難易度が高い難関の試験だと評されています。2918年度の試験結果は、受験者数14,387人、合格者数621人で、合格率は4.3%でした。ここ数年を遡ってみても、合格率はどの年も4%前後になっています。

試験の合格者は相対評価で決められるため、年によって合格率が激しく上下することはありません。その代わりに各部の基準点は年によって違ってきます。

必要な勉強時間はどのくらい?

司法書士試験合格に必要な勉強時間は、一般的に3000時間といわれています。もちろん、学校に通うのか独学なのか、法律に関する予備知識があるかなどによって変わってきますが、目安として3000時間と考えて置くとよいでしょう。

3000時間というと、毎日8時間、1日の休みもなく勉強したとして約1年かかります。実際にこのペースで勉強できるかというとなかなか難しいでしょうから、勉強中心の生活をしたとしても1年半くらいは必要だと心得ておいたほうがよいでしょう。

働きながら試験合格を目指す人もいる

仕事をせずに勉強に専念するのが経済的に難しい場合や、社会人として仕事を始めた後で司法書士を目指すことを決めた場合などは、働きながら試験合格を目指すことになります。

仕事をしながら司法書士試験合格を目指す場合は、毎日8時間を勉強に充てるのは難しいでしょう。仕事のある日に3時間程度、休日はみっちり10時間程度を勉強に充てたとしても、2年以上が必要になります。

仕事と勉強を長い期間両立させなくてはならないため、自分にあったやり方を見つけることや長期的なスケジュールを組んで取り組むことが大事になるでしょう。

司法書士試験の勉強方法

独学

司法試験に臨む人の大半は、専門学校や予備校を利用しています。中には独学で試験に挑む人もいますが、もともと合格率が非常に低い試験だということもあり、独学で合格を目指すのは大変厳しい道だと考えたほうがよいかも知れません。

前章で一般的に3000時間の勉強が必要といいましたが、これは専門学校などを利用した場合に一般的にかかるとされている時間です。独学の場合はさらに多くの時間を要する覚悟が必要です。専門学校などの講座は法改正にも対応していますが、独学の場合はそのような情報も取りこぼさないようなルートを作っておく必要もあります。

独学は費用が抑えられることや自分のペースで勉強できることはメリットですが、試験慣れしている人、自己管理がしっかりできる人、長期戦になっても耐えられる人でないと、独学での試験合格は難しいといってよいでしょう。

専門学校や予備校に通う

司法書士試験の勉強で最もスタンダードなのは、専門学校や予備校に通うことです。各校、さまざまな講座を開講しており、8か月程度の速修コースや、時間をかけて対策する20か月程度の講座など、自分の実力や都合に合ったものを選ぶことができます。

学校に通うことのメリットは、カリキュラムがしっかり組まれているので片寄らずにまんべんなく勉強ができること、法改正などに対応していること、途中で挫折する心配が少ないことなどでしょう。費用はかかりますが、確実に効率的に試験対策をしたいなら、通学での勉強がよいのではないでしょうか。

通信講座を受ける

働きながら学校に通うのが難しい人や費用をおさえたい人は、通信講座を利用する方法もあります。スマホやタブレットで学習できる講座なら、通勤時間や休憩時間を活用しての勉強も容易です。スマホやタブレットなら問題を繰り返し説いていくような反復学習にも向いています。

司法書士試験についてのまとめ

  • 司法書士は、個人や企業の依頼を受けて、登記・供託の手続きや裁判所・検察庁・法務局に提出する書類の作成を代行する仕事です。
  • 司法書士になるには、司法書士試験に合格する必要があります。
  • 司法書士試験は毎年1回実施されます。試験は筆記試験(多肢択一式・記述式)と口述試験があります。
  • 司法書士試験の合格率は、例年4%前後です。
  • 午前(択一式)・午後(択一式)・午後(記述式)はそれぞれ基準点が設定され、ひとつでも基準点に達しない場合は不合格となります。
  • 司法書士試験の勉強法としてスタンダードなのは専門学校や予備校に通うことです。独学で挑む人もいますが、かなり厳しい道だといえるでしょう。

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