この記事では「失業手当」の計算方法について解説いたします。

「失業手当」は失業した時に支給されるもので、毎月社会保険料の一つとして納付している「雇用保険」が財源です。

失業すると収入が途絶えてしまう為とてもありがたいものですが、そのルールや計算方法を知っていないと損してしまうことになりかねません。

そのようなことがないように、今回は「失業手当」の計算方法や給付期間、具体的な計算例を取り上げました。
それでは、一つずつ実際に確認していきましょう。

失業手当の計算方法

「失業手当」の金額は、規定の計算方法によって算出されます。

この計算方法を理解しているからこそ、実際に支給された「失業手当」の金額が合っているかどうかを確認できるというわけです。

逆に計算方法を理解していなかった場合、万が一の金額の間違いに気づかなかったり、先の見通しを立てることができなかったりします。

そのような事態を未然に避ける為にも、どのように計算するのかを確認しておきましょう。

①退職前6ヶ月分の給料から「賃金日額」を計算する

「失業手当」は、まず退職前6ヶ月分の給料から「賃金日額」を計算します。

例えば7月に退職した場合、退職前6ヶ月である同年2月から7月分の給料を計算対象にするということです。

この6ヶ月分の給料を合計するのですが、毎月の給料の金額については給与明細等で確認することができます。
この期間のボーナスは計算対象には含めませんが、残業代や通勤手当等の各種手当は入れるということには注意が必要です。

そしてこの6ヶ月の総支給額を180日(30日×6ヶ月)で割って、1日あたりの「賃金日額」を算出します。
ここまでの内容をまとめると、以下の計算式で表すのが分かりやすいでしょう。

・退職前6カ月間の給料総額÷180日=賃金日額

「失業手当」を計算する場合、この「賃金日額」が起点になると考えて間違いではないでしょう。

②賃金日額と離職時の年齢から「基本手当日額」を確認する

続いて「賃金日額」と離職時の年齢から「基本手当日額」を割り出します。

「基本手当日額」とは1日あたりにもらえる失業手当の金額のことで、この金額は離職時の年齢によって変わってくるのです。

離職時の年齢は、次の4つに大別します。また「賃金日額」によって計算方法が変わってくることに注意が必要です。

1.29歳以下または65歳以上
2.30~44歳
3.45~59歳
4.60~64歳

例えば1の場合、「賃金日額」が「2,500円~5,010円」だと給付率は80%です。
「5,010円~12,330円」であれば50〜80%、「12,330円~13,630円」では50%、「13,630円~」で一律6815
円になります。

上記2〜4も同様、「賃金日額」によって給付率が変わってくるのが計算方法の特徴です。
各年齢での計算方法や給付率については度々改正されることもある為今回は割愛しますが、自分の「賃金日額」と離職時の年齢で「基本手当日額」が変動するということは覚えておきましょう。

失業手当には上限額・下限額がある

「失業手当」を算出する際に使う「基本手当日額」には上限額と下限額があります。
なぜなら「失業手当」は失業期間中の生活を保障するという側面があるので、過払いや過少払いを防ぐ為です。

「基本手当日額」の下限額は年齢に関係なく「2,000円」と決まっています。
上限額は年齢によって異なり、先述の1では「6,815円」で2だと「7,570円」、3は「8,335円」で4が「7,150円」です。

失業手当の給付期間

「失業手当」を算出するには「基本手当日額」を求めることが必要ですが、給付期間がどのように決まるかも知っておくことが肝要です。

給付期間は退職理由によって異なり、「自己都合」か「会社都合」かが重要になってきます。

退職理由が「自己都合」の場合

「自己都合退職」とは、労働者側が転職や引っ越し、結婚や家庭の事情等を理由に自分の意思で退職を申し出ることです。

履歴書には「一身上の都合により退職」の一文で通すことができるというメリットがありますが、「失業手当」を受給する上ではデメリットもあります。

それは「失業手当」を受けるまでの間に3ヶ月の「給付制限」があることです。
加えてハローワークへの申請を経て、最低でも待機期間として7日間は待つ必要があります。

また給付期間は「90〜150日」と、「会社都合」に比べて少なくなってしまうというのも看過できません。

退職理由が「会社都合」の場合

対して「会社都合退職」とは、会社側が経営不振やリストラ、倒産等を理由にして一方的に労働契約を解消することによる退職のことです。

なお労働者が会社の早期退職制度に応募して退職した場合も「会社都合」に当てはまります。

「会社都合」の場合は最短で待機期間による7日を経れば給付が始まったり、給付期間が「90〜330日」と「自己都合」に比べて長かったりするのがメリットです。

一方で転職活動時に退職理由を詳しく聞かれるかもしれないというデメリットもあります。
会社の倒産等であればともかく、懲戒解雇が理由であれば人事担当者も良い顔はしないでしょう。

中にはすぐに「失業手当」をもらいたいという理由で「会社都合」による退職を画策する人もいるという話もありますが、先々のことを考えると経歴に残ってしまうということもあり一長一短です。

失業手当の計算例

これまでは「失業手当」の計算方法や概要について解説してきましたが、それだけでは実際にどのように計算していくらくらいもらえるのか今ひとつ分からないという人もいるかもしれません。

そこで具体例を二つ用意しました。上述の計算方法も再確認しながら、計算例を確認してみましょう。

35歳で「自己都合」で退職(毎月の給料は25万円)

退職時の年齢が35歳、「自己都合」による退職で毎月の給料が25万円の場合の計算です。
また給付日数は「雇用保険」の加入期間によって変動しますので、今回は大学卒業の22歳から13年間加入していると仮定しましょう。

「退職前6カ月間の給料総額÷180日=賃金日額」の計算式により、「賃金日額」をまず算出します。

退職前6ヶ月間の給料総額は「25万円×6ヶ月=150万円」で、「賃金日額」は「150万円÷180日=8,333円」(1円未満は切り捨て)です。

そしてこれを基にして「賃金日額」を計算すると「5,532円」となります。
また「雇用保険」の加入期間が10〜20年の場合かつ「自己都合」による退職の給付日数は「120日」なので、総額は以下の通りです。

5,532円×120日=663,840円

一ヶ月を30日とするとひと月あたりの金額は「165,960円」で、それが4ヶ月分で上記の金額になるということが分かります。

なお「自己都合」による退職なので、給付開始までには最低でも3ヶ月の給付制限と7日間の待機期間があることに注意が必要です。

62歳で「会社都合」で退職(毎月の給料は30万円)

続いて退職時の年齢が62歳で「会社都合」による退職で毎月の給料が「30万円」の場合の計算です。
分かりやすくする為、先程と同じく大学卒業の22歳から62歳までの40年間「雇用保険」に加入していたとします。

「退職前6カ月間の給料総額÷180日=賃金日額」の計算式により、「賃金日額」をまず算出します。

退職前6ヶ月間の給料総額は「30万円×6ヶ月=180万円」で、「賃金日額」は「180万円÷180日=10,000円」(割り切れるので今回は切り捨てなし)です。

そしてこれを基にして「賃金日額」を計算すると「4,936円」となります。
また「雇用保険」の加入期間が20年以上かつ「会社都合」による退職の場合の給付日数は「240日」なので、総額は以下の通りです。

4,936円×240日=1,184,640円

一ヶ月を30日とするとひと月あたりの金額は「148,080円」で、それが8ヶ月分で上記の金額になるということが分かります。

なお「会社都合」による退職なので、給付開始は早ければ7日間の待機期間の後です。
総額も給付の早さも「会社都合」の方が良いというのは大きなメリットだと感じる人が多いかもしれません。

失業手当の金額を増やすには

退職時の年齢や「雇用保険」の加入期間、退職理由等多くの要素を複合して計算することから、「失業手当」を算出するのは簡単ではないことが分かります。

では「失業手当」の金額を手取り早く増やす手段はないのかというと、そんなことはありません。
退職前6ヶ月分の給料から「賃金日額」を計算した上で「失業手当」を算出するということは、退職前6ヶ月分の給料を増やせば「失業手当」の金額も増えるというわけです。

ではどうやって給料を増やすかについて、確認してみましょう。

残業や休日出勤により、退職前6ヶ月間の給料を増やす

給料を上げるには昇進や昇格するという方法もありますが、昇進や昇格は自分の管理下にない要素が多分に含まれており不確実です。

最も確実なのは、残業や休日出勤によって給料を増やすことでしょう。
残業手当等は毎月の給料として計算対象になりますし、みなし残業制でない限り残業や休日出勤をしただけ給料も増えるというわけです。

ただし「基本手当日額」には上限額があるので、その点は注意が必要でしょう。

まとめ この記事のおさらい

・「失業手当」はまず退職前6ヶ月分の給料から「賃金日額」を計算し、「賃金日額」と離職時の年齢から「基本手当日額」を算出する

・退職理由や「雇用保険」の加入期間によって給付期間を割り出し、「基本手当日額」に乗じることで「失業手当」の金額を算出することができる

・失業手当には上限額・下限額がある

・「自己都合」による退職は履歴書に書きやすいというメリットがある一方給付期間が短い等のデメリットがある

・「会社都合」による退職は給付期間が長い等のメリットがある一方、転職活動時に深く質問されやすいというデメリットがある

・手っ取り早く「失業手当」を増やす手段としては、残業や休日出勤によって給料を増やすことが考えられる

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