この記事では法定休日や所定休日、割増賃金について解説いたします。

社会人として働く上で休日の定義や違い、あるいは割増賃金について理解することはとても重要です。
なぜなら仮に不当な待遇で働いていたとしても、それに気付くことができないからです。

また労働基準法に抵触している可能性を考えると、法律面でも問題だといえます。

一つずつ内容を確認し、理解を深めていきましょう。

法定休日とはなにか

法定休日とは文字通り「法律で定められた休日」のことです。

使用者は毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4回の休日を与えなければならないと規定されています。

では休日は1日/週でその週の労働時間は8時間/日でも問題ないかというと、「1週間の労働時間は最長40時間」とする制限にかかってしまいます。

この場合別途労使間で労働時間超過について協定を結ぶ(通称「36協定」)ことが必要です。
あるいは1日あたりの労働時間を調整し、1ヶ月でみたときの1週間で40時間以内に収めます。(変形労働制)

なお一律で同じ休日を与える義務はない為、事業全体として24時間営業や年中無休で稼働することは問題ないです。

法定休日の根拠

法定休日は「労働基準法」という法律等で定められています。

労働基準法とは労働基準を定める法律のことで、労働組合法及び労働関係調整法と合わせて労働三法と呼ばれています。

労働基準の具体的な内容は労働時間や法定休日、賃金等の最低基準を設けたものです。
この基準を下回った場合は強制的に基準を遵守させる効力があります。

労使の力関係を考えた時に、不当な待遇で労働者が扱われることがあります。そのような事態を防ぐ為に種々の基準を定めることにより労働者の地位を守っています。

もちろん最低基準を上回る高待遇を別途定めるのは問題なく、会社規則や個別契約にて任意に設定できます。

所定休日との違い

所定休日とは法定休日以外に使用者が定めた休日で、法定休日以外の休日ということから法定外休日という場合もあります。

代休との違い

代休とは労働者が休日に出勤した場合、その代わりにあとで労働日を休日にすることができることをさします。

例えば本来休みである土曜日に休日出勤し、翌週の労働日である月曜日を休日とした場合等です。

振替休日との違い

振替休日とは休日出勤をする前日までに振り返るべき休日を指定して従業員に伝え、労働日と休日を入れ替えることです。

代休と振替休日との違いは、代わりとなる休日が事前に決まっていたかどうかです。決まっていた場合は振替休日、休日出勤後に決まった場合は代休という違いがあります。

これだけだと些細な言葉の問題だと思われる方もいるかもしれませんが、振替休日か代休かで後述する割増賃金の有無に関わってきます。
その為両者の違いを明確に理解しておくことが必要です。

休日の割増賃金

割増賃金とは使用者が時間外労働や休日出勤、深夜業をさせた場合に労働者へ支払わなければならない賃金のことです。
また割増賃金は労働基準法第37条等を根拠としています。

各種手当の名称は、時間外労働の場合は残業手当、深夜労働(22時から翌朝5時)の場合深夜手当、休日出勤労働の場合は休日労働手当等といわれています。
そしてこれらを総称したものが割増賃金というわけです。

ただし休日に出勤した場合であっても、割増賃金が支払われる場合とされない場合があります。
支払われるのは代休、支払われないのは振り替え休日の場合です。

例えば以下の具体例を用いて考えてみましょう。

Aさんは月曜から金曜を労働日、土日祝日を休日として働いているとします。

ある日上司から休日出勤の打診をされ、翌週の土曜に休日出勤することでAさんは同意しました。
その際上司から振替休日の提案があり、同じ週の月曜は休日扱いにしてもらうことで合意しました。

この場合単に労働日と休日を交換しただけであり、割増賃金は支給されません。

 

一方、BさんもAさんと同じ条件で働いているとします。

 

ある日上司から休日出勤の打診をされ、その週の土曜に休日出勤することでBさんは同意しました。
その際「繁忙期の為具体的な日を明示できないが、後日必ず代わりの休日を付与する」という上司の提案に合意しました。

その後繁忙期を過ぎた為、Bさんは約束通り代わりの休日を取得することができました。

この場合事前に具体的な休日の合意がなかった為代休扱いになり、割増賃金が支給されます。

 

休日出勤でも割増率が異なる

振替休日と代休の違いによって割増賃金支給の有無が変わってくるのは先述の通りですが、更に割増率が異なってくるケースがあります。

ここでも以下の具体例を見て確認してみましょう。

先程の例でAさんの指定休日が、休日出勤があった週の翌週の月曜だったとします。
この場合休日出勤があった週の労働時間が40時間を超過している為、その分の割増賃金として「超過労働時間×時給(月給制の場合時給を算出して計算)×25%」が支払われます。

仮にAさんが時給1000円で働いている場合、「超過分8時間×1000円×25%」なので10000円が割増賃金です。
ただし翌週の月曜は働いていないので普段支給される8000円が控除され、実質2000円が支給されるという計算です。

一方代休の場合、パーセンテージが35%に変わります。また深夜の場合は25%で、月に60時間を超える時間外労働があった場合、60時間を超過した分は更に50%上乗せされます。

つまり休日出勤かつ深夜の時間に労働した場合、「35%+25%=60%」として割増賃金が支給されるという計算です。

また35%支給されるのも法定休日に関しての話で、会社規定による所定休日の場合はその限りではありません。(もちろん、週に40時間以上の労働があった場合は25%の割増賃金が支給されます)

このように、休日出勤といっても個々のケースによって支給される割増賃金とそのパーセンテージが変わってきます。
その為それぞれの場合においてどの割増賃金が該当するのかを確認することが重要です。

就業規則の規定

法定休日は「毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4回の休日を与えなければならないと規定されている」のは先程ご確認いただきました。

しかし実際には、Aさんの例のように週休2日等法定休日よりも多くなっていることが多いのではないでしょうか。

これはそれぞれの会社が「就業規則」等によって個々に休日等を定めているからです。法定休日はどんな会社であっても遵守しなければなりませんが、それにプラスアルファする分には会社の裁量に委ねられています。

なお2019年度からは年間10日以上の有休が与えられる労働者に最低5日以上取得させることが法律で義務化されました。
有給休暇とは使用者から賃金が支払われる有給の休暇日のことで、有給付与条件等は別途定められています。

この法律に違反した場合会社は刑事罰に処される為、会社が従前よりも積極的に有給取得を推奨することが期待されています。

このように法律や会社規則により休日や割増賃金が細かく定められている為、自分の場合はどうなるの把握することが重要です。

まとめ この記事のおさらい

  • 法定休日とは「毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4回の休日を与えなければならない」と規定された休日
  • 所定休日は法定休日とは別で会社等が定めた休日
  • 代休の場合割増賃金が支払われるが、振替休日の場合は支払われないケースがある
  • 休日や割増賃金は個々のケースで変わってくる為、法律や会社規則を理解することが重要