この記事では接客における自己PRの留意すべきポイントやNGポイント、例文について解説いたします。

営業には営業の、事務には事務の自己PRがあるように、接客には接客の自己PRがあります。
その逆で、他の職種では許容されても接客としては看過できないポイントも存在します。

それらの内容が接客を志す方や、すでに接客をされている方の参考になれば幸いです。

接客の自己PR

「接客」とは文字通り「お客様と接する」仕事です。

どんな仕事でも人と全く関わらないというわけにはいきませんから、接客経験がある人は良い評価を受けやすいといわれています。

その為例えば飲食店の接客をしていた人が転職活動をした場合、同業他社はもちろん別業界や別業種でも重宝されるという意見もあります。

それでは接客に求められる具体的な能力やスキルについて確認してみましょう。

接客に求められるポイント

接客に求められるポイントの第一はコミュニケーション能力です。千差万別なお客様に合わせて要望を正確に把握する洞察力や傾聴力は欠かせません。また明るく元気で愛想が良いこともコミュニケーション能力の必要な要素です。

他にはクレーム対応や予期せぬトラブル対応が必要なことも多々あり、トラブル対処能力や個々のケースに応じた柔軟性が求められます。

職場によっては店舗内外での従業員同士の連携が大事になってくることもあり、指導力や調整力、マネジメント能力が問われることもあるかもしれません。

このように接客に求められる能力は枚挙にいとまがないですが、その中でも3点に絞るなら以下のものがあげられます。

マナーや接客スキル

マナーとは行儀・作法のことで、敬語や文法等の言葉遣いや、お辞儀の角度等の姿勢等も含まれます。

また同じ接客でも店舗や業種等によって、良いとされているものや敬遠されているものが異なる場合があります。

例えば高級レストランで接客する場合は、礼儀正しく格式高い立ち居振る舞いが求められるでしょう。
これはお客様が非日常を望んで、高いお金を支払うだけの価値を感じておられるからです。

対してファーストフード店では、細かい礼儀作法や格調高さよりも元気の良さや迅速さを要求されることが多いです。
逆にマナーや作法を遵守し結果的にスピードが損なわれた場合、クレームに発展する可能性があります。

このように絶対的な判断基準はありませんが、強いていうなら属している会社や店舗で推奨されているものが望ましいとされています。

人の話を聞く力

「きく」には3種類あるといわれています。「聞く」「聴く」「訊く」です。

「聞く」は英語の「hear」に相当し、「音が漫然と聞こえてくる」ことを意味しています。

「聴く」は英語でいう「listen」で、「積極的に耳を傾ける」という意味です。

そして「訊く」は英語では「ask」のことで、「尋ねる、質問する」ことをあらわしています。

接客に必要な「きく」は、「聴く」と「訊く」です。またこの二つは接客に限らず、対人において極めて重要だといわれています。

まず「聴く」の場合、「あなたの話を真剣に聴いています」という姿勢が重要です。
慣れない内はお客様の要求が理解できなかったり聞き返すこともあるかもしれませんが、誠実に接していることが伝われば大きな問題に発展することも稀です。

またお客様の仰っていることを適切に解釈する理解力も求められます。例えばお客様が

「荷物を入れるかごはありますか。」

と仰った場合、かごの有無を答えるだけでは不十分です。この場合「荷物を置けるスペースが欲しい」と解釈し、

「恐れ入りますが、かごは用意しておりません。よろしければ、こちらでお荷物をお預かりしてもよろしいでしょうか。」

のように、お客様の要望に応えられる回答が必要です。

もう一つの「訊く」は、「お客様の要求を引き出す為の質問をすること」が肝要です。

例えば「クローズド・クエスチョン」を使うのも有効です。
「クローズド・クエスチョン」とは「はい、いいえ」や「AかBか」のように、択一で答えられる等範囲を限定する質問方法です。

ただし択一で答えられない場合等は「何をお探しですか。」のような「オープン・クエスチョン」(回答範囲を限定しない質問方法)が必要です。

笑顔での接客

接客における笑顔は、ほとんどあらゆる業界や業種で求められます。

「笑顔は一ドルの元手もいらないが、百万ドルの価値を生み出す」という言葉があるように、笑顔は誰でもできる上に良い印象を与えることが多いです。

マナーや接客スキル等と比べて経験や能力が必要ないこともあり、まず笑顔を指導するという店舗も少なからず見受けられます。

仏頂面で接客されるよりも笑顔で対応される方が心象が良いと感じるのが一般的だといえるでしょう。

もちろんクレーム対応中や謝罪する時に笑顔を交えると逆効果です。時と場合によって適切に使い分けましょう。

接客のNGポイント

接客で重視されるポイントがあるように、NGだといわれているポイントもあります。ここでは以下の3つを取り上げています。

・言葉遣いが適切ではない
尊敬語と謙譲語を混同している、バイト敬語を使っている等、言葉遣いが誤っているのはNGです。

接客上お客様と言葉を交わす機会は度々あるので、言葉遣いは真っ先に意識したい項目です。

・身だしなみが乱れている
服装がだらしなかったり、髪やヒゲがボサボサになっている等、身だしなみも極めて重要なポイントだといっても過言ではないです。

特に飲食店では従業員の清潔感が飲食物の衛生面に関わることもあり、細かい規則が定められている場合もあります。

・常に見られているという自覚がない
接客はお客様との信頼関係がとても大事です。またお客様の個人情報を取り扱い機会も何度もあります。

だからこそ、いつどこで誰に見聞きされているか分からないという危機感を持つことが重要です。

例えば仕事終わりに同僚と食事に行き、ついお客様の個人情報に関わる内容を話してしまったとします。
もしそのお客様が近くに居合わせていた場合、責任問題に発展する恐れがあります。

あるいは直接関係のない人から苦情として報告があるケースもあります。

またSNS等でお客様の情報や店の機密情報を暴露する等の行為も当然NGです。

接客の自己PRの例文

接客の自己PRは似通ってしまい、差別化するのが難しいという意見もあります。

そこで接客の自己PRの一例をご紹介します。

 

「私はアパレルの接客を2年間やり遂げました。最初の半年間は売上を伸ばすことができませんでしたが、お客様の言葉に耳を傾けご希望の品を提案していくことに注力しました。

その結果、半年以降は店舗内での売上一位を継続して達成することができました。この経験から、「お客様の立場になって考える」ことと「売上結果にこだわる」ことを身につけることができました。

貴社でもこの経験を活かし、お客様のニーズに応えられる接客と売上一位を目指していきたいと考えています。」

 

この例のポイントは大きく3つあります。
1つ目は自分の経験に基づいていることです。自分が直接経験したことなので、オリジナリティがあります。

2つ目は数字が具体的なことです。「2年間」や「売上一位」のように数字を交えた方が、話に具体性が出ます。

3つ目は入社後どのように貢献するかを明示していることです。会社が求めている能力やスキルを取り上げている場合更に好印象を持たれます。

まとめ この記事のおさらい

  • 接客には「マナーや接客スキル」、「人の話を聞く力」、「笑顔」を含めて幅広い能力やスキルが求められる
  • 実際に求められるものは業界や店舗等によって異なるので、確認することが重要
  • 言葉遣いや身だしなみが乱れていたり、見られているかもしれないという自覚の欠如はNG