この記事では稟議書について言葉の読み方と意味、使い方について解説いたします。

会社勤めする中で度々耳にする言葉ですが、何となく使っていると感じる場面が度々見受けられます。特に新社会人は、この言葉を初めて知ったという方もいらっしゃるかもしれません。

また稟議書という書類もあります。この稟議書をうまく活用できるかどうかで、仕事の成否が決まってしまう場合もあるのです。

この記事を通して稟議書という言葉への理解が深まれば幸いです。

稟議とはそもそも何か

「稟議」は「りんぎ」と読みます。「所定の重要事項について主管者が案を作って関係者に回し、文書で承認を得ること」という意味があります。

企業の場合、従業員が会社に「会社の名前で◯◯をしても良いか」と伺いを立てたことに対して承認をえることをさします。

「稟」は「(命令を)受ける、さずかる」ことを意味し、「議」は「相談する」という意味です。この二つが合わさって先述の意味になります。

稟議書とは何か

稟議書とは文字通り、稟議を行う為の書類のことです。会社によってフォーマットに多少の違うはありますが、その目的は共通しています。
また稟議書は、役職の高い人に向けて順番に回っていくのが一般的です。役職の高い人が先に承認すると、低い人は却下しにくいからです。

稟議書があれば、会議のコストや手間を省くことができます。また会議では全員で時間を合わせなければいけないのに対して、稟議書は各承認者のタイミングで確認することができます。同じ書類を回すことから、人数分の書類をコピーしたり束ねたりする必要もありません。

さらに文書として残る為に、後々何かあった場合の事実確認が容易であるというメリットがあります。

その一方で、承認までに時間がかかるというデメリットもあります。

例えばある承認者が出張等で1週間不在だった場合、最終承認者の元に届くのはそれ以降になってしまいます。そのせいでせっかくのビジネスチャンスを逃してしまうという可能性もあるのです。

また複数人が承認している関係で、何かトラブルがあった際に責任の所在が曖昧になってしまうという問題もあります。

更に、稟議書が形骸化(誕生した当初の内容や目的が消え失せ、形だけのものになってしまっていること)している場合もあります。
なぜなら、稟議書を回す前に直接お伺いを立てることが往々にしてあるからです。こうなると稟議書は、最後の念押し程度の形式的なものになってしまいます。

稟議が必要な場面

稟議が必要なのは、会議を開く程ではないが、会社としての承認が求められる場面です。例えば、以下のような場合に稟議が必要です。

  • パソコンやデスク等の備品発注
  • 外部との契約締結
  • 人材の採用
  • 求人広告への掲載
  • 出張時のホテル手配

「契約稟議」や「採用稟議」、「購買稟議」のように目的別に分かれている場合もあれば、一元化されている場合もあります。

なお数千円程度の小口現金での買い物については、購買稟議を通さない場合が多いです。またその用途や頻度を考えると、数が最も多いのも購買稟議だといえます。

稟議と決裁との違い

稟議と似た言葉として「決裁」があります。「けっさい」と読み、「長たる者が、部下の差し出した案の採否を決めること」という意味です。
上司に許可や承認を得るという点では同じですが、細かいところで違いがあります。

稟議は複数人を経由して順々に承認されていくのに対して、決裁は権限がある役職者等に直接承認をしてもらいます。
一般的に、重要事項の承認には稟議ではなく決裁が行われます。

会社によっては稟議と決裁とを明確に区別していることもあれば、小さいベンチャーのように決裁のみにしてスピーディーな意思決定をしていることもあります。

稟議と決裁とを混同して、いきなり最終承認者に稟議書を回しては思わぬトラブルになりかねません。
また対象者が異なる為、承認を得るのに必要な方法や文書の書き方も違ってきます。

それぞれの特徴を確認し、間違えることのないよう気をつけましょう。

稟議書を書く上で必要なポイント

会社の経費が使うからこそ、上司も稟議書のチェックには特に注意を払っています。その為稟議書に不備があると、何度も書き直しを命じられることになるのです。

無駄な時間や手間を省く為に、稟議書を書く上では以下のポイントに留意する必要があります。

  • 件名や目的、理由や予算が明記されていること
    一目見て何に関する稟議書か分かる件名が望ましいです。また何を目的としていて、それにはどういう理由があるのかは承認を得る為の必須事項です。
    そして肝心なのは予算です。目的や理由が納得できるものであっても、予算が合わないと判断されれば許可されないからです。
  • 文章表現に誤りがないこと
    誤字脱字はもちろん、一目読んで理解できない表現等が含まれている稟議書はまず通らないと思っていただいて差し支えありません。中身以前に、読み手が読む気を失ってしまうからです。
    稟議書も立派なビジネス文書だということを念頭に置いた上で作成することが求められます。
  • すぐに内容が分かるように、簡潔に書かれていること
    稟議書は複数人間を行き来するという性質上、承認までに時間がかかります。長々と書かれていては、一人ひとりが確認するのに膨大な時間がかかってしまいます。

なるべく簡潔に、すぐに内容が分かるように書くことを心がけましょう。

稟議書の例文

稟議書をつかった言葉の例文として、以下のようなものがあげられます。

稟議書を作成する際には、差し戻しにならないよう気をつけることが重要だ。

特に納期が決まっている内容の場合、差し戻されることが続くと間に合わなくなってしまう恐れがあります。そのような事態を避ける為にも、一度で承認を得られるように作成することが重要です。

フォーマットが決まっている方が、稟議書は作成しやすい。

稟議書を作成する際に書かなければいけないことは決まっているので、フォーマットがあった方が作成しやすいです。また稟議書に必要な項目の漏れを防いだり、作成の時間を短縮することもできます。

もちろん場合によってはフォーマットを修正したり、添付書類をつけたりする必要があります。

稟議書は日本特有のものである。

実は稟議書とは、「合議制」(複数人の承認や許可によって意思決定する制度のこと)が重視される日本特有の存在です。「皆で決めること」を良しとする日本らしい習慣だといえます。
日本企業は海外企業に比べて意思決定が遅いといわれますが、それはこの稟議システムが無関係ではないでしょう。これはグローバルに事業展開していく上で、大いに改善の余地があるポイントだといえます。

まとめ この記事のおさらい

  • 「稟議」は「りんぎ」と読み、「所定の重要事項について主管者が案を作って関係者に回し、文書で承認を得ること」という意味がある。
  • 「稟議書」は稟議を行う為の書類で、複数人の承認が必要である。
  • 稟議は会議のコストや手間を省け、文書で残る為事実確認しやすいというメリットがある
  • 稟議は最終承認までに時間がかかり、責任の所在が不明確になるというデメリットがある
  • 昨今では、紙でなく電子システムで承認する稟議書がある会社もあります。また24時間経過すると、自動的に稟議書が承認されるシステムを導入している会社も出てきたようです。

今後稟議がどのように変わっていくのか注目すると面白いかもしれませんね。