腐っても鯛の意味とは

腐っても鯛の意味とは腐っとも鯛を一言でいうなら、「高級品は傷んでいても価値がある」ことをあらわします。本当に良いものなら少々ダメージがあっても、あまり価値が落ち込んだりしないという意味です。

これは元々、日本で鯛はお祝いごと用の高級魚だったために、多少悪くなったとしても、場を彩るイベント用の小道具としての価値は十分に保ち続けたというところから来た言葉です。

もっとも現在においては、普通に運搬して魚を腐らせることなどまず有り得ないために、相手への嘲笑や皮肉を込めた使われ方がなされる場合が非常に多いですね。また、同じような高級魚や高級食材でも、イベントで出ることが少ないものに対して「腐っても~~」というのは誤りなので、注意する必要があります。

腐っても鯛のビジネスシーンでの意味

腐っても鯛は、目上の人に使ったりするのは、絶対に避けた方が良いでしょう。上役がおらず、軽口を叩ける場で使うか、面と向き合わない形で、人や会社を評論するような形で用いることになりますが、その際もTPOには十分注意した方が良いでしょう。

例文

「あの人がまた講師をやるんだって? 最新の技術とか全然分からないのに。まあ、実績はあるから説得力もあるし、腐っても鯛ってところかな。」
「確かにあの会社は近年実績をまったく出していないが、まあ、腐っても鯛という言葉もある。長年の付き合いもあることだし、お歳暮は最高級のもとを選んでおいてくれ。」
「しかし、定年になった係長があのトラブルを収めてしまうとはな。腐っても鯛というが、長年勤めてきただけのことはあるな。」

腐っても鯛の類似表現

腐っても鯛の類似表現として、「沈丁花は枯れても芳し 」、老成といった言葉があります。

「沈丁花は枯れても芳し 」ピークに比べると多少価値は衰えたものの、それでも独自の価値を持つという意味です。

「老成」としての意味を持つことわざには、「老成円熟」があります。これは、老いたことでかえって円熟さを増し、完成されたという意味があります。

老成の関連としては「老成持重」ということわざもあります。これは、老いたことでさらに慎重さを増したという意味です。

また、英文の表現として、「a good horse becomes never a jade」(駿馬は駄馬にならない)というものもあります。素晴らしい速力を示した名馬は、老いても荷物を運ぶ駄馬のようにはならない、という意味です。

対義語

腐っても鯛の対義語としては、「騏驎も老いては駑馬に劣る」ということわざがあります。

この場合の「麒麟」とは、並大抵ではない名馬のことであり、「駑馬」は価値に乏しい駄馬のことです。老化していけば、どんなに素晴らしい馬でもまともに走れなくなる、転じて人も衰えれば戦力にはならなくなるという意味です。このことわざも、腐っても鯛と同様、目上の人相手に使うとかなり失礼になるので注意しておく必要があります。

また、明確な対義語ではありませんが、「昔千里も今一里」ということわざもあります。

この言葉も、年齢を経ると能力が劣化してしまうという意味でありますが、鯛や麒麟と違って、過去の実績が明示されていない分、より現在の状態をおとしめる雰囲気が強く滲んでしまっています。このことわざも、もちろん目上の人に対して使うには不適切といえます。

類似表現と対義語の例文

沈丁花は枯れても芳しの例文
「いやいや、なかなかのものだったよ。定年してから随分経つが、部長時代の話術は健在だね。沈丁花は枯れても芳しというが、彼の実力派本当に素晴らしいよ。」
老成円熟の例文
「課長は本当に動じないな。来月で定年退職だって言うが、まさに老成円熟の境地だ。」
老成持重の例文
「ううむ、ここまで条件をつけてもまったく乗ってこないか。さすがに一時代を築いただけあって、老成持重に達しているようだな。」
騏驎も老いては駑馬に劣るの例文
「またあの会社が競合になってしまったか。しかし、恐れることはない。騏驎も老いては駑馬に劣るの例えもある。最新の研究を積んできた我々なら、問題なく勝利できる。」
昔千里も今一里の例文
「いやあ、最近ではめっきり足腰が弱ってしまいましてね。私もかつてはもっと長い距離をきびきび歩けたものですが、昔千里も今一里ですよ。」