「働き方改革法案」が2019年4月に施行されますが、働き方改革法案とはどのような内容なのか、どのような課題があるのかなどが疑問点としてあげられます。

この記事を通して、最終的には、働き方改革法案とはどのような内容なのか、どのような課題があるのかを理解することができます。

働き方改革法案は労働規制にかかわる法律の改正

働き方改革法案とは、労働規制にかかわる法律の改正をさします。働き方改革法案は、2016年に第3次安倍内閣(第2次改造内閣)が発足してから具体的に動き出しました。

政府は、働き方改革を「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」と位置づけています。働き方改革法案の具体的な内容は以下の通りです。

改正の内容:残業時間の規制

政府は、残業時間を1ヶ月で100時間以内(2~6ヶ月の平均残業時間80時間以内)と上限値を決め、大企業で、残業時間が50時間を超えた場合、以後の残業時間に対する賃金割り増し率を50%と定めました。

日本では、欧米に比べて労働時間が長く、過重労働による疲労やストレスによる自殺者や死亡者が増えています。

安倍晋三首相は「モーレツ社員という考え方自体が否定される日本にしていきたい。」とも発言しています。

「モーレツ社員」とは、高度経済成長期以降のサラリーマンが、自分や家庭を犠牲にしてまで懸命に働く労働者の事です。

大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から施行されます。

改正の内容:有休取得の義務化

政府は、年間10日以上の有給休暇がある労働者が、5日以上の有給休暇を取得することを義務化しました。

「有給取得の義務化」も残業時間の規制と同じように、過重労働による疲労やストレスによる自殺者や死亡者が増えている労働状態を改善するために効果的な改革でしょう。

2019年4月から施行されます。

改正の内容:同一労働同一賃金

「同一労働同一賃金」とは、同一の仕事をする労働者は、同一水準の賃金が支払われるべきという概念で、日本における非正規・正社員の格差は大きいといわれています。

女性や高齢者は、正社員のような働き方をするのが困難ということで、改善の必要があり、デフレからインフレへと脱却するための改革でもあります。

政府は、正社員に対して6割という非正規社員の賃金を8割まで引き上げることを目標としており、最低賃金を1,000円に引き上げることも同時に目標としています。

少子高齢化が進む社会の中で、女性が働きやすい環境を整えることや、高齢者でも活躍できる社会へと変えていくことに効果的な改革でしょう。

大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月からの施行を予定しています。

改正の内容:高齢者の就労促進

65歳以上の高齢者のうち、働く意欲がある人は約6割いるといわれているのにもかかわらず、現状働いている高齢者は約2割ほどです。

働き方改革法案によって、65歳までの定年延長を行う企業に対しての支援や、高齢者のマッチング支援が行われます。

「高齢者の就労促進」も同一労働同一賃金と同じように、少子高齢化が進む社会の中で、高齢者でも活躍できる社会へと変えていくことに効果的な改革でしょう。

2015年の働き方改革法案からの変更点

高度プロフェッショナル制度における「健康確保措置」の追加

政府は、過重労働を防ぐため、年間104日の休暇を義務化し、さらに、以下の4つの措置のうち1つを実施することを義務づけました。

インターバル措置
1月または3月の労働時間の上限設定措置
2週間連続の休日確保措置
臨時の健康診断の実施措置

「裁量労働制の対象範囲拡大」の項目削除

もともと、働き方改革関連法案の中の「企画業務型裁量労働制」の対象業務に、「課題解決型の開発提案業務などを追加する」という項目がありました。

しかし、厚生労働省の労働時間データに誤りが見つかったため、「裁量労働制の対象範囲拡大」の項目が削除されました。

働き方改革法案の課題

働き方改革法案の課題:労働力の不足

働き方改革法案による「残業規制」が問題点となる場合もあります。

企業側からは、残業規制が厳しくなるため、労働力が不足するのではないかと懸念され、従業員側からは、残業費込みでの生活水準を見込んでいる場合は、収入が減るのではないかという懸念があります。

働き方改革法案の課題:同一労働同一賃金

働き方改革法案による「同一労働同一賃金」の問題点は点以下の通りです。

企業側からは、時間をかける必要のある研究開発部門や、顧客訪問が重要な営業部門などにおいて、労働力が落ちるのではないかと懸念されています。

従業員側からは、正規社員が非正規社員と賃金が同じになるということで、モチベーションが低下するのではないかという懸念もあります。

働き方改革法案についてのまとめ

  • 働き方改革法案とは、労働規制にかかわる法律の改正のことをいいます。
  • 政府は、働き方改革を「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」と位置づけています。
  • 働き方改革法案の具体的な内容は、残業時間の規制や有給取得の義務化、同一労働同一賃金、高齢者の就労促進などです。
  • 働き方改革法案は、過重労働を改善することや女性が働きやすい環境を整えること、高齢者でも活躍できる社会へと変えていくことに効果的です。
  • 2015年の働き方改革法案からの変更点は、高度プロフェッショナル制度における「健康確保措置」の追加と、「裁量労働制の対象範囲拡大」の項目削除です。
  • 働き方改革法案による「残業規制」や「同一労働同一賃金」などは、労働力の不足や収入の減少、モチベーションの低下などが問題点とされる場合もあります。