仕事の取引先を検討するとき、就職先を探すときなどには、相手企業の経営状況について知らなければなりません。

企業の経営状況を知るには、売上高だけを見るのではなく、利益がどれくらいあるのか、売上高に対する利益はどれくらいなのかを知ることが大切です。

この記事では、利益とはなにをさすのか、利益率はどのようにして求めるのについて解説します。

そもそも利益率とはなにか?

利益率とは売上高に対しての利益の割合

利益率とは、売上高に対して利益がどれくらいの割合を占めているかをあらわすものです。

売上高が高くて費用が低ければ利益は大きくなり、売上高が高くても費用が多ければ利益が少なくなってしまい、売上高よりも費用の方が多くなれば、利益は出ずに、損失が増えます。

利益と損失の例は以下の通りです。


売上高1,000万円、費用700万円の場合→300万円の利益
売上高1,200万円 費用1,000万円→200万円利益
売上高1,300万円 費用1,400万円→100万円の損失

上記のように、売上高が多いからといって企業が必ず儲けが出ているとは限りません。儲けがあるかどうかは、売上高から費用を引いた利益で決まります。

利益率の求め方

利益率は以下の計算で求めることが出来ます。

 利益 ÷ 売上高 × 100(%)=利益率(%)

利益率の計算例
売上高が1,000万円、費用が800万円の場合

利益= 売上高 1,000万円 - 費用 800万円 = 200万円
利益率 = 利益 200万円 ÷ 売上高 1,000万円 ×100(%) = 20%

 

利益の種類

企業の経営状況をあらわす財務諸表のひとつに「損益計算書」があります。

損益計算書は、企業の利益と損失を示す表です。しかし、損益計算書に示される利益には「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つの種類があります。

売上総利益:売り上げから原価を引いた額

「売上総利益」とは、売上高から売上原価(商品の仕入れ原価または製造原価)を差し引いたもので、企業の収益力を示すものです。

100万円で販売した商品の仕入れ値が50万円の場合、売上総利益は50万円です。

売上総利益は「粗利益(あらりえき)」または「荒利益(あらりえき)」といわれることもあります。ビジネスの場では、「粗利(あらり)」ともいわれる事もあります。

売上総利益の出し方
売上高 - 売上原価=売上総利益

営業利益:売り上げから販売・管理費を引いた額

「営業利益」とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いたものです。営業利益は、企業の本業の営業活動によって獲得した利益をあらわします。

商品の販売にかかる費用として大きなものが売上原価ですが、業務を遂行するうえで、従業員の給料、社屋等の家賃などさまざまな費用がかかります。売上総利益から上記を差し引いたものが営業利益です。

販売費とは、商品や製品を販売するために直接かかる費用のことで、販売員の給料、広告費、荷造発送費、配達費、保管費などが該当します。

一般管理費とは、企業の全般的管理のために発生する費用で、間接部門の人件費、減価償却費、租税公課、交際費、通信費、消耗品費、旅費交通費などが該当します。

営業利益の出し方
売上総利益 - 販売費及び一般管理費=営業利益

経常利益:営業利益に営業外損益を加減した額

「経常利益」とは、営業利益に、財務上の収益・費用から成る「営業外損益」を加減したものです。

営業外損益は、受取利息、受取配当金、有価証券売却費などの営業外収益と、株式の評価損や売却損などの営業外費用なら成ります。

経常利益の出し方
営業利益 - (営業外収益 - 営業外費用)=経常利益

税引前当期純利益:税金を払う前に稼いだ額

「税引前当期純利益」は、法人税などの税金を支払う前の稼いだ利益です。

経常利益に特別利益を加え、さらに特別損失を差し引いて求めることが出来ます。

特別利益とは、固定資産売却益や投資有価証券売価益などをさし、特別損失とは、固定資産売価損、投資有価証券売価損、火災損失などをさします。

税引前当期純利益の出し方
経常利益 + 特別利益 - 特別損失=税引前当期純利益

当期純利益:最終的に企業が稼いだ額

「当期純利益」は、税引前当期純利益から法人税や都道府県税などを差し引いたものです。

最終的に企業が稼いだお金が当期純利益と考えてよいでしょう。

当期純利益の出し方
税引前当期純利益 - 法人税・都道府県税等=当期純利益

損益計算書には、「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の順に金額を記していき、最終的に「当期純利益」が求められます。

粗利率とはなにかと求めかた

粗利率の求め方

粗利率の求め方は以下の通りです。

粗利率の求め方
粗利(売上総利益)÷ 売上高 × 100(%)=粗利率

粗利率とは売上高に対する粗利の割合です。粗利とは売上総利益のことであるため、粗利率と売上総利益率は同じものをさしています。

しかし、営業活動などのビジネスの場は、会計や経理の専門的な話をする場でないため、粗利率ということが多いでしょう。

粗利率は売上高に占める粗利の割合であるため、粗利率を見ることで売り上げと原価のバランスを知ることができます。

分かりやすくものを販売している企業を仮定して例を示すと、売上高が1,000万円で、商品の仕入れに500万円かかっていれば、粗利率は50%です。

粗利率は企業の収益性を判断するための基本的な指標の一つで、比率が高いほど収益性は高くなります。

粗利率は業種によって異なる

粗利率は企業の収益性を図る目安の一つです。

しかし、粗利率は製造業では約20%、飲食では約50%など、業種によって大きな違いがあります。異業種を単純に粗利率で比較することは出来ません。

企業の利益率はEDINETで知ることが出来る

上場企業や大会社は決算報告書の開示が義務付けられており、開示された決算報告書は金融庁のサイト「EDINET」で閲覧することができます。

金融庁 EDINET

利益率についてのまとめ

  • 利益率とは、売上高に対して利益がどれくらいの割合を占めているかをあらわすもので、利益率は以下の式で求めることができます。
    利益率(%)= 利益 ÷ 売上高 × 100(%)
  • 損益計算書に記す利益には「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つの利益があります。
  • 粗利率とは売上高に占める粗利の割合で、以下の式で求めることができます。
    粗利率(売上総利率) = 粗利(売上総利益)÷ 売上高 × 100(%)
  • 粗利率は企業の企業の収益性を図る目安ですが、業種によって大きな違いがあるのため異業種を単純に数値で比較することはできません。
  • 上場企業や大会社は決算報告書の開示が義務付けられていて、金融庁のサイト「EDINET」で閲覧することができます。