公的年金には、国民年金と厚生年金があり、企業で働く会社員や公務員は厚生年金に加入しています。

この厚生年金制度でもらえる金額を知ることで、将来的にどのくらいの年金がもらえるのかを知ることが出来ます。

この記事では厚生年金の仕組みや保険料や、厚生年金基金と確定拠出年金について解説します。

そもそも厚生年金とはなにか?

年金には国民年金と厚生年金がある

公的な年金には、国民年金と厚生年金があります。以前はこれに加え、公務員が加入する共済年金がありましたが、平成27年に共済年金は厚生年金に一元化されました。

国民年金は20歳以上になれば誰でも加入する事が出来る

国民年金は20歳から60歳までは誰もが加入する義務があります。

国民年金の保険料は収入によって変わるものではなく、一律で決められています。保険料は毎年変わり、平成30年は月額16,900円です。

厚生年金は企業に勤める会社員が加入する

厚生年金は企業に勤める会社員が加入します。国民年金は20歳以上が加入しますが、厚生年金は企業で働いていれば20歳に達していなくても加入する事が特徴です。

例として、高卒の18歳で就職した場合でも、働き始めてすぐに厚生年金に加入することになります。保険料は給料に率を掛けた金額のため、実際に納付する額は個人で異なります。

日本の公的年金は2階建て

日本の公的年金は「2階建て」と表現されます。1階部分は国民年金で国民年金は基礎年金とも呼ばれ、20歳以上60歳未満の人はすべて加入しており、年金制度の基礎となっているものです。

2階と表現されるものは厚生年金で、厚生年金に加入している人は国民年金にも加入しています。

1階部分の国民年金の上に2階部分の厚生年金が積み重なっているイメージで二階建てと表現されています。

年金加入は働き方は暮らし方で決まる

加入する年金や保険料は、20歳以降の働き方や暮らし方で変わります。公的年金制度では、加入形態を「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」と区別しています。

-第1号被保険者-
自営業者・学生・無職など。国民年金にのみ加入する。
-第2号被保険者-
会社員・公務員など働いている人。国民年金と厚生年金に加入する。
-第3号被保険者-
第2号被保険者に扶養されている配偶者。国民年金にのみ加入する。本人の保険料負担はなし。

第1号被保険者と第2号被保険者は、企業などに所属して働いているかどうかで区分されます。

特徴的なのは第3号被保険者です。第2号被保険者に扶養されている配偶者は、本人の保険料負担はなしで、将来国民年金を受け取ることができます。

厚生年金の保険料

厚生年金の保険料率

厚生年金の保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛けて求めることが出来ます。

保険料率は平成16年から段階的に引き上げられてきましたが、平成29年9月を最後に引上げが終了し、以降の厚生年金保険料率は18.3%で固定されます。

標準報酬月額とは給料を〇円~〇円は〇等級というように等級分けしたものです。等級に当てはめて保険料率が決まるため、実際には給料のぴったり18.3%にはなりません。

厚生年金は賞与からも標準賞与額を基準に控除されます。標準賞与額とは、実際の税引き前の賞与の額から1千円未満の端数を切り捨てたもので、150万円を超えるときは150万円とされます。

参考:日本年金機構 厚生年金保険料額表

厚生年金保険料は企業と本人が折半する

厚生年金保険料は企業と本人が半分ずつ負担することになっています。18.3%の保険料のうち、本人が支払うのは9.15%分です。

厚生年金基金とは

厚生年金基金制度は厚生年金保険に加入する企業が加入する制度

厚生年金基金は、厚生年金保険に加入している企業が加入することのできる企業年金制度です。加入は任意であるため、企業の判断によります。

厚生年金基金は厚生年金保険の保険料の一部を国の代理で運用し、厚生年金に上乗せして給付されます。前項で日本の公的年金は2階建てと説明しましたが、この厚生年金基金を3階部分と呼ぶこともあります。

厚生年金基金は、勤めている企業が厚生年金基金に加入していれば自動的に加入されます。

厚生年金保険の保険料の一部を国の代理で運用するものであるため、厚生年金保険料の他に保険料を支払う必要はありません。

厚生年金基金は解散が相次いでいる

厚生年金基金は、近年大幅に減少しています。

代行割れといい、厚生年金基金の保有資産が最低責任準備金(厚生年金の代行部分を給付するために、企業が最低限保有していなければならない額)に満たない状況に陥る基金が続出しました。

平成26年には厚生年金保険法が改正され、財政悪化の基金には解散の指示が出されているため、厚生年金基金は実質廃止の方向と考えて大差ないでしょう。

厚生年金基金に代わる確定拠出年金

確定拠出年金は、企業や個人が掛け金を負担し、自ら選択した基金に運用を任せ、将来運用実績に応じた給付を受ける制度です。

運用がうまくいけば将来の給付額を増やすことができますが、リスクも伴います。

企業型確定拠出年金(401k)

企業型確定拠出年金は、企業が掛金を毎月積み立てし、従業員が自ら年金資産の運用を行う制度です。

企業型確定拠出年金に加入できるかどうかは、勤めている企業が確定拠出年金制度を導入しているかで決まってきます。

従業員は企業が用意した運用商品の中から自分がどの商品を運用するかを選ぶことができます。企業型確定拠出年金は「401k」とも呼ばれています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金は、勤めている企業が確定拠出年金を導入していない場合や、自営業の人などが加入できます。

加入者自身が掛け金を負担して運用商品を選び、運用することが出来ます。

運用益を見込めるほかに税金の優遇もありますが、基本的に60歳までは引き出すことができないので注意が必要です。

厚生年金についてのまとめ

  • 公的年金には、国民年金と厚生年金があります。
  • 国民年金は20歳以上になれば誰でも加入する義務があり、厚生年金は企業に勤める会社員が加入します。
  • 日本の公的年金は2階建てで、基礎となる国民年金と2階部分の厚生年金から成り立っています。
  • 年金の加入形態により、国民年金に加入する第1号被保険者、国民年金と厚生年金に加入する第2号被保険者、第2号被保険者の配偶者の第3号被保険者に区分されます。
  • 厚生年金の保険料率は標準報酬月額に保険料率を掛けて求められ、保険料率は平成29年9月以降18.3%で固定されます。
  • 厚生年金の保険料は、個人と企業が半分ずつ負担します。
  • 厚生年金基金とは、厚生年金保険に加入している企業が加入することのできる企業年金制度です。近年運用が芳しくなくなり、平成26年の厚生年金保険法が改正以降、解散が相次いでいます。
  • 厚生年金基金に代わるものとして、確定拠出年金があります。確定拠出年金には、企業型と個人型があります。