企業でコンプライアンスの徹底が強く求められる今の時代、法務が果たす役割が増えています。

この記事では、法務の意味、会社の法務部、法務に適している人などについて解説します。

法務とは

法務とは、法や法律、司法に関する事務や教務のことをさします。

国単位では法務省として、

・法秩序の維持や国民の権利擁護
・国の利害に関係ある争い事の処理
・出入国の公正な管理

などを行います。

また、地方単位では、法務局として法務省の地方支部の役割を果たしています。
法務省の事務のうち、登記、戸籍、国籍、人権擁護、法律支援などの事務処理をする地方機関です。

これを一つ一つの企業単位で考えると、似たような役割を果たすのが法務部です。

会社の規模が拡大するほど、法務部の役割も重要になります。専門的な知識も必要な場所です。

会社の法務部の仕事内容7つ

法務部は、法律に関連する業務を一手に担っています。

一言で法律に関連する業務といっても、その内容は多岐にわたります。

また、法務関係の資格や検定も数多く存在します。それぞれの業務にどのような資格が役に立つのかもあわせて解説します。

契約や取引の際の法務

企業に置いて、他社と取引をする際に必ず必要なのが「契約」です。法務部の仕事の中で最も重要なのが、この契約・取引に関係する業務です。

契約書の作成や審査を、民法や商法、割賦販売法などの様々な法律に基づいて行います。

「行政書士」の資格を所有していれば、国の機関ともやりとりができるので、業務の範囲も広がります。

*役立つ資格*
書類の作成や審査には「ビジネス実務法務検定」が役立ちます。

トラブルがあった時の紛争訴訟対応

自分の会社と取引先の企業の間でトラブルが起こった場合、法務部が対応することがあります。

企業がお客様個人を相手にものを売る場合(いわゆるB to C)、カスタマーセンターやお客様の問い合わせに対応する場所があります。これと似たような役割をするのが法務部です。

紛争訴訟などの対応をする場合、法的な処置が取られることが多いので、法律に詳しい方が有利です。

*役立つ資格*
弁護士などとも同等に渡りあえる「行政書士」「司法書士」などの資格は、有していると企業にとっても心強い資格といえます。

社員のサポートなどの法務相談

企業に勤める人、皆が法律に詳しいわけではありません。法務部は、社内の法律のプロとして位置づけられています。

そのため、法律に詳しくない社員のサポートをしたり、相談に乗ったりします。
これも法務部ならではの業務といえるでしょう。

会社内部の法務のチェック

企業は日本国内であれば、日本の法律に基づいて設立され、合法的に運営されなければなりません。

法務部は、株主総会や取締役会などの会社内部の機関が、きちんと行われているかどうかをチェックする部署でもあります。

会社法に基づき、株式の発行や分割、子会社の設立などの時にも深く関わってくるでしょう。

*役立つ資格*
企業の代表として法的手続きをとることもできる「司法書士」の資格が役に立ちます。

コンプライアンスや社内規定の徹底

最近、法務部が取り上げられる際に、このコンプライアンスが関係していることが多いです。

企業の信頼性を維持するために、コンプライアンスの周知徹底は必要不可欠です。

社内研修や相談窓口などの設置も法務部が率先して行います。

また、社内ルールをわかりやすく作成して、社員に徹底させることや、社内秩序を保つことなども法務部の仕事の1つです。

*役立つ資格*
社内での注意喚起にも効果的な「個人情報保護士」「ビジネスコンプラインアンス検定」などの資格が役立ちます。

企業に適用させていく法制度調査

法律は時代によって変わります。そのため、解釈も微妙に異なる場合があります。それぞれの企業では国の法律に基づいて会社を運営しているため、法律が変われば、企業も対応していかなくてはなりません。

時事の情報に耳を傾け、法律がどう企業で適応されるのかを知り、企業に適用させていくのも法務部の仕事の一つです。

自ら調査をして、会社内に周知徹底させることも法務部が行う業務です。

企業によっては海外に本社があったり、海外との取引が多かったりと事情が異なる場合は、海外の法制度についても調査する必要があります。

法務部の役割

法務部と聞くと企業の中では裏方のイメージがあるかもしれません。
しかし、法律関係のプロとして企業活動のアクセルとブレーキを担っているのです。

アクセルの役割

企業は、自分たちの商品やサービスを売って利益を出なければなりません。
単価を上げるだけでなくコストの削減も含め、利益を出すことを最優先で考えます。

法務部は、法律を武器として契約等の面で企業活動を後押しします。

ブレーキの役割

企業の中で利益を生み出す1番の場所は営業部です。
営業部は利益を上げるために、ビジネスチャンスは必ずものにしようと飛びついてしまうことがあります。

場合によっては法的トラブルが発生したり、不利な状況で契約を結んでしまったりといった事態が考えられます。
そのような時に、契約にブレーキをかけ、リスクヘッジを行うのが法務部の役割です。

法務部に適している人の特徴

この項目では、どのような人が法務部に適しているのか解説していきます。

様々な専門スキルを持っている人

法務部に配属される人は、法学部出身であったり、何かしら法律関係の仕事をしていた人であることが多いでしょう。

仕事内容をみて分かるように、法律に明るくない人がすぐにできる仕事ではありません。しかし、実のところ、法律に明るいだけでも法務部の仕事は務まらないのです。

海外とのやりとりが多い昨今、語学が堪能であることが求められます。
企業同士の契約や、法律に関する問題を解決するのが法務部の役割なので、語学スキルもビジネスレベルであることが必須です。

また、新しい法律を受け入れる柔軟さや、それをリサーチする能力、デジタル技術をうまく活用できる技術なども求められます。

法律を知っているだけでなく、きちんと守れる人であることも重要なのです
契約内容に関するものや個人情報を知る機会も多い部署なので、その取り扱いが正しくできる人を会社側は求めているでしょう。

判断力とコミュニケーション能力がある人

法務部は、法律に関することを扱うため、契約書や取引に関する書類とばかり向き合っていると思われがちです。

しかし、実際には、他の企業の法務部とやりとりをしたり、相手にわかりやすく説明したりとコミュニケーションを取るケースが多いのです。

また、プレゼンテーションのスキルも重要になってくるでしょう。
自分がどう伝えるかではなく、相手にわかりやすく伝えるにはどうしたらいいかという点を意識して話す練習をすることが大切です。

契約は、企業においてとても重要な選択です。ただ契約を結べばいいのではなく、会社にとって有利になるような選択ができなければいけません。
そのためには、判断力とコミュニケーション能力が必要です。

法務についてのまとめ

  • 法務とは法律に関連した業務を行う部署のことである
  • 会社の法務部の仕事は多岐に渡り、契約やコンプライアンス、法務相談などがある
  • 法務部の業務に適した人材はコミュニケーション能力が高く、専門のスキルを持っている人である