税務の検査のために、税務局や国税局職員が法人や個人宅にくることや、たくさんの質問が書かれたシートが送られてきたり、インターネットで質問の回答を求められたりする調査をされることがあります。

上記はそれぞれ違う種類の調査ですが、全て同じ国税調査調査であると誤解している人も少なくありません。

ここでは、国税調査とはなにか、税務調査と国勢調査との違いや、国勢調査は拒否できるのか、税務調査は拒否できるのかについて解説します。曖昧な理解をはっきりさせることで、場面毎に正しい対応ができるようになります。

そもそも国税調査とはなにか?

耳にする事の多い国税調査は、税務調査と使い方を間違われている事が少なくありません税務調査は納税者の申告内容を確認し、必要に応じて是正を求めるための調査をさします。法人や調査規模により、国税局や税務署、税関などが調査を行います。

国税庁がくる調査であるため国税調査と呼ばれる事が少なくありません。調査対象になる税金の多くが所得税、法人税、相続税を始めとする国税であることから、国税調査と呼ばれることもあります。

国税調査と国勢(こくせい)調査を混同して、勘違いされている場合も少なくありません。

国勢調査とは、統計法に基づき総理大臣が作成する国政統計のための調査で、人口、世帯、産業構造などが調査されます。平成27年の調査が第20回目で、今では国連のガイドラインをもとに海外の国々でも行われています。国勢調査は、人口センサスとも呼ばれます。

国勢調査を拒否すると罰則がある可能性がある

国勢調査は基本的に5年おきに実施されます。もっとも最近では平成27年10月1日に行われ、全国でインターネット回答を回収し、回答がなかった家庭には調査員が調査票を配布する方法で行われます。

調査事項には氏名や性別、五年前の住居の所在地や在学、卒業など教育の状況などかなりプライベートな世帯員に関する事項や、住居の種類や床面積など世帯に関する事項などがあります。

内容がプライベートであるため調査員がくることもあり、中には国勢調査を拒否したいと考える人もいるでしょう。しかし、国勢調査は法的に国勢調査への回答は義務付けられているため、拒否や虚偽の回答をした場合には、罰則も統計法第61条の中で定められています。

総務省 統計法

50万円以下の罰金が科せられる可能性がありますが、実際に罰せられたことはほどんどありません。前回の国勢調査を実施した平成26年経済センサス‐基礎調査・商業統計調査・実施事務局からは、以下のような解説がされています。

経済センサス よくある質問 罰則の適用はあるのか。

国勢調査と違い税務調査は拒否できるのか

税務調査は、国税局の査察部が行う令状のある強制捜査のことをさすことが一般的です。国税局が行う調査は、大手法人だけでなく個人に対しても、巨額な脱税を調査する場合が多いです。

税務職員が行う税務調査は、個人や個人事業主を含む中小法人に調査に入ることが多いですが、礼状がない調査です。令状がない税務調査であるため、一部の人は税務調査を任意調査と認識しており、拒否できるものと考えている人も少なくありません。

税務調査には、調査体調者の拠点に出向く実地調査や、裏付けのために取引先を調べる反面調査、銀行取引を調査する銀行調査などがあります。

税務調査をできる根拠

税務調査をするためには、税務職員が礼状はなくても、なんらかの権限がなければ調査はできません。調査の権限=根拠になるのが、国税通則法第74条の2で、調査対象者に書類・帳簿などの物件検査をすること、提示や提出を求めることができるとされています。

調査対象者の許可なくは調査できないことになるため、条文だけを見ると税務調査には強制力はないように読み取ることが出来ます。

電子政府の総合窓口 国税通則法第74条の2

税務調査の拒否にも罰則がある

国税通則法第74条の2からは、税務調査に強制力はないという認識ができますが、国税通則法第127条では、税務調査を拒否した場合の罰則の取り決めがあります。

上記の事から税務調査に強制力はないものの、間接的に拒否できない仕組みであるのが実情です。

任意の税務調査がある場合には、調査対象者または税理士などの資格者に、電話か文書で1週間以上前に通知されます。

強制ではないため、指定された日時で都合がつかなければ、日程の調整を行うことが可能です。現金商売の現金について調査が必要なときには、事前通知がないこともありますが、8割以上は事前に通知されているのが現状です。

一般的な税務調査であれば、1、2名の調査員で1週間を目安に調査が行われるでしょう。調査の結果次第で、申告是認、修正申告、更生・決定、加算税賦課決定などの手続きをすることになります。

電子政府の総合窓口 国税通則法

国税調査は拒否できるのかについてのまとめ

  • 国税調査という言葉は、実は税務調査、または国勢調査と使い方を間違われているでしょう。税務調査は、納税者の申告内容を確認して、必要に応じ是正を求めるための調査のことをさしています。国勢(こくせい)調査は人口センサスともいわれ、統計法に基づく国政統計のための調査で、人口、世帯、産業構造などが調査されます。
  • 国勢調査は、基本は5年おきに実施されます。プライベートな世帯員に関する事項、世帯(住居)に関する事項などがあります。国勢調査を拒否したいと考える人もいますが、統計法第13条第2項で回答が義務付けられています。拒否や虚偽の回答をした罰則も統計法第61条の中で定められています。
  • 国税調査と間違って呼ばれることもある税務調査は、国税局の査察部が行う令状のある強制捜査と税務職員が行う任意調査の税務調査があります。
  • 令状がない税務職員が税務調査をする根拠は、国税通則法第74条の2に定められています。
  • 税務調査に強制力はありませんが、国税通則法第127条で罰則の取り決めがあります。ですから、調査に強制力はないものの、間接的に拒否できない仕組みであるのが実情です。