社会人になると、冠婚葬祭に参列する機会が増えますが、葬祭は突然やってきます。悲しみの中の遺族に何と声をかければいいか悩むことも多いでしょう。
ここでは、基本のお悔やみの言葉と場合別のお悔やみの言葉の例を解説します。
この記事を読めば、悲しみとご遺族をいたわる気持ちを伝えられるようになるでしょう。
目次
基本のお悔やみの言葉
葬祭に参列した場合には、ご遺族に挨拶をすることもあるでしょう。お悔やみの挨拶は、ご遺族に向けていたわりの気持ちを伝えますが、取り込んでいるときなので、手短に済ませるようにしましょう。
葬祭なので、言葉は少なめに月並みな言葉でも構いません。やや小さめの声で挨拶するのが、葬祭の独特なマナーです。
基本のお悔やみの言葉として、「このたびは、誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます。」、また「このたびは突然のことで、さぞお力落としでございましょう。心からお悔やみ申し上げます。」などがあります。
葬祭に駆けつけることができずに、メールでご挨拶をする場合もあるでしょう。
その際には、葬祭に伺えなかったことへのお詫びを忘れずに含めましょう。「突然の訃報に驚くばかりです。都合でご葬儀に伺うことができず、誠に申し訳ございません。心よりご冥福をお祈り申し上げます。」などとします。
また、メールですが拝啓、謹啓などの頭語、時候の挨拶文は必要ありません。
亡くなられた経緯や人によってお悔やみの言葉は変化する
基本的に、葬祭でどうして亡くなられたかを詳しく伺うのはマナー違反になります。しかし、場合によっては、すでにわかっていることもあるでしょう。
それぞれの場合に合わせたお悔やみの言葉をかけるのも、気持ちが伝わるご挨拶になります。親しい間柄や会社の上司や同僚の場合には、「何かお手伝いできることがありましたら、遠慮なく申しつけて下さい」と一言添えるのもよいでしょう。
ここで、いくつかの場合別に基本のお悔やみの言葉をご紹介します。
病死の場合
入院されていて亡くなった際には、ご遺族への心遣いやお見舞いにいけなかったお詫びを添えるのがよいでしょう。
ご高齢な場合
高齢の方がなくなったときには、大往生されたや天寿をまっとうされたなどの表現がありますが、それらはご遺族が使う表現です。お悔やみの言葉やご挨拶としては、ふさわしくないため、使用するのは控えましょう。
事故の場合
事故の時こそ、突然のできごとでご遺族は深い悲しみにあることでしょう。ご遺族への心遣いが伝わるご挨拶をするといいでしょう。
夫を亡くした場合
身内の中でも近い人を失った悲しみは大きいでしょう。親しい間柄なら、堅苦しい言葉よりもいつもの口調でご挨拶をしたいいときもあります。
妻を亡くした場合
夫を亡くした方の時と同じように、間柄によって、内容や口調を変えて構わないでしょう。身の回りのことを自分でしなければいけなく、慣れない一人での生活になることも考えられ、妻を亡くした夫は大変なことでしょう。
子供を亡くした場合
お悔やみの言葉への配慮も必要ですが、子供を亡くした親にとって、同じくらいの子供を葬祭で見るのが辛い場合もあるため、参列する際には、配慮しましょう。
使ってはいけない言葉
気持ちを伝えるためには、自分の言葉でご挨拶をするのが一番でしょう。マナーとして、お悔やみの挨拶に使ってはいけない言葉がいくつかあります。
忌み言葉といわれる、不幸を連想させるような言葉は使わないようにしましょう。例えば、つらい、とんだこと、迷う、浮かばれない、苦しむなどがあります。
ご遺族に対してのご挨拶では使ってしまう可能性が高い言葉なので、気をつけましょう。ご遺族のつらい気持ちは、「お力を落としていらっしゃる」などと言い換えます。
また、不幸を繰り返すことを連想させる、重ね言葉も使わないようにしましょう。たとえば、くれぐれも、たびたび、重ね重ね、などがあります。くりかえしを予想させる言葉もやめておきましょう。また、引き続き、次になどがあたります。
生々しい表現も使うのは控えましょう。死ぬは、亡くなる・他界される・帰らぬ人となるなどの違う表現に置き換えましょう。
突然の不幸・急なことや、ご生前、お元気でいらしたことなどの表現もお悔やみの言葉でよく使われます。
お悔やみを伝える英語表現
ビジネスで海外取引などがあり、英語でお悔やみの言葉を伝えたいときもあるでしょう。お悔やみの言葉によく使われる英単語には、哀悼、慰めなどの意味の【condolence】や同情、思いやりなどの意味の【sympathy】などがあります。
また、日本語と同じように、生々しい表現は避けるために、動詞の亡くなるは【pass away】(過去形:past away)や名詞の死ぬは【loss】などを使うようにしましょう。
基本的なお悔やみの言葉の英語表現には以下のようなものがあります。
(お悔やみ申し上げます。)
(あなたのお母様の死にお悔やみ申し上げます。)
(心からお悔やみ申し上げます。)
(あなたのことを思ってお祈りしています。)
お悔やみの言葉に関するおさらい
お悔やみの言葉に関するおさらいは以下の通りとなります。
- お悔やみの挨拶は、ご遺族に向けていたわりの気持ちを伝えるが、取り込んでいるときなので、手短にやや小さめの声で挨拶するのがマナー
- 基本のお悔やみの言葉は、「このたびは、誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます。」、また「このたびは突然のことで、さぞお力落としでございましょう。心からお悔やみ申し上げます。」などとご挨拶するのが基本
- 葬祭に駆けつけることができずに、メールでご挨拶をする場合には、拝啓、謹啓などの頭語、時候の挨拶文は必要ない
- 基本的に、葬祭でどうして亡くなられたかを詳しく伺うのはマナー違反、親しい間柄や会社の上司や同僚の場合には、「何かお手伝いできることがありましたら、遠慮なく申しつけて下さい」と一言添えるのもよい
- 気持ちを伝えるためには、自分の言葉でご挨拶をするのが一番だが、忌み言葉といわれる、つらい、とんだこと、迷う、浮かばれない、苦しむなど不幸を連想させるような言葉は使わないようにする
- 不幸を繰り返すことを連想させる、くれぐれも、たびたび、重ね重ねなどの重ね言葉も使わないのがマナー、生々しい表現も避けるようにする
- 英語の基本的なお悔やみの言葉には、I would like to send my condolences to you on the loss of your mother.(あなたのお母様の死にお悔やみ申し上げます。)、Please accept my sincere sympathy.(心からお悔やみ申し上げます。)などがある