目の前に問題があるのに、見て見ぬふりをしたり、そのまま放置していたりする人はいませんか。

事なかれ主義の人には、多数決で自分の意思を示すのではなく、多数の意見に賛成する人や政治家たちの問題をすぐに解決しようとしない姿勢などがあるでしょう。

この記事では、事なかれ主義について以下の点を解説します。

この記事の内容
・事なかれ主義の意味
・事なかれ主義の心理
・事なかれ主義の改善方法

事なかれ主義の意味

事なかれ主義は「ことなかれしゅぎ」と読みます。事柄を荒立てないことをポリシーとすることをあらわす言葉です。

事なかれ主義の人の特徴には、紛争や争いごとを嫌い、平穏無事でいることをなによりも優先する態度をとる事があげられます。

日本人の多い気質ともいわれている

事なかれ主義は、外国語にはない表現の1つです。

問題事がない状態を望むということ自体はよいですが、騒動の渦中にあって自己主張しなければならない場合にも、人ごとのように関わりを持たない態度をとろうとすることからできた言葉だといわれています。

外国では、特に自分が関わっているものに関しては、なかったことにしたり見なかったふりをしたりという態度をとることがありません。しっかりと向き合い、きちんと自己主張することが普通です。

「空気を読む」と事なかれ主義の違い

多数決で多い方に賛成する事は、一見、場の空気を読んでいるように感じるかもしれません。

しかし、自分の意見を主張せず、周囲の平穏を乱さないように多数派に賛成する事は、「事なかれ主義」だと思われるでしょう。

「空気を読む」はその場の雰囲気を壊さないようにするという肯定的な意味を持ちます。
問題を目の前にして議論を避けたり、自己主張をしなかったりするのは事なかれ主義といわれてしまいます。

事なかれ主義の心理

事なかれ主義は問題解決能力に自信がない

目の前に問題があってもそれを避けるのは、解決できる自信がないためです。

解決できない理由は様々ですが、一例として以下のものがあげられるでしょう。

経験が浅い
新入社員のときにトラブルが起こったら、解決策を考える前に焦ってしまうでしょう。冷静に物事を捉え解決に向けて行動をとることは、経験に基づいた行為であるため、経験が浅いときは問題を先送りにしてしまいがちです。 

新しい問題の種類で対応できない
臨機応変に対応できないのは、経験が浅いことに関係します。人は、今まで解決したことのある問題については、似たような問題が起こっても応用し、対処することができます。

しかし、問題の種類が新しく今までに1度も経験がない場合はなかなか解決の糸口を見出せないことがあります。

時間がかかってしまうと、問題自体を放置してしまうこともあるでしょう。

 

問題が大きすぎる
自分1人では解決できないような大きな問題や、矛盾を含んでいる複雑な問題の場合、すぐには解決できず時間がかかってしまいます。事なかれ主義は問題に真正面から取りかかることはせず、問題自体をすり替えたり、先延ばしにしたりすることがあるでしょう。

極端な例では、片方の主張を聞けばもう片方に不利になるという問題がある国家単位の問題は、1人では解決できず時間もかかってしまいます。

国会での審議も必要となれば、なかなか問題に取り組むのが難しくなるかもしれません。本来きちんと向き合わなければならない問題でも後回しにすると、事なかれ主義だといわれます。

 

事なかれ主義は他人ともめたくない

争い事や揉め事に対処すると必要以上の労力がかかり、精神的に疲弊してしまいます。

人間の心理として、精神的にダメージが多いことを避けたいと思うのが普通でしょう。面倒なことを避け、できるだけ波風立てずに穏便に解決したいという人が多いため、議論して他人と揉めたくないと心の中では思っています。

事なかれ主義の人は議論が必要な問題に対しても、議論をせずやり過ごしてしまう場合が多いです。

事なかれ主義の改善方法

事なかれ主義は当事者意識を持つのが大事

問題に直面したときに、流したり、争いを避けたりせずにきちんと向き合うためには、自分が問題の当事者であることを忘れてはいけません。

問題の渦中の人間が、なんとなくやり過ごしてしまえば、解決する問題でさえ解決しなくなります。きちんと正面から問題に向き合う意識と最後まで解決のために努力する姿勢を持つようにしましょう。

自分は問題の渦中にいて、責任を取る立場にあるという意識を持てば、解決のためにいろいろな手段を考えることができます。

問題が自分1人のことではなく会社や組織の中で解決することであれば、他の人たちも巻き込まなければなりません。他の人が事なかれ主義だったり、組織が事なかれ主義な体質だったりすると、なかなか問題に向き合うことが少なくなってしまいます。

しかし、ときには自分がリードして、問題解決にあたるようにしましょう。

事なかれ主義は自分の意見をいいやすい手段を見つけるとよい

事なかれ主義の人は、面倒なことを避けたいというだけではなく、自分の意見を言うことで傷つく人がいるのではないかと思っている事があります。

特に日本では、小さい頃から協調性を大切にするように教えられています。自分が人と違う意見をいうことで、人のことを否定し傷つけてしまうのではないかと心配してしまう傾向を事なかれ主義はもっています。

事なかれ主義にとって重要なのは、人と違う意見をいうときの方法です。正面から相手を否定するいい方は相手にとっても気持ちのよいものではありません。

言葉の選び方や声のトーン、ジェスチャーなどによって、同じ内容を伝えても、相手の受け取り方が変わるでしょう。

反対意見をいうときは、一旦相手の意見を受け入れることが大切です。

「そうなのですね」「なるほどそういう意見ありますね」などと相手の意見は意見として認め、「ただ、自分は〇〇と思います」と伝えれば、いわれたほうも1つの意見として受け止めることができます。

また、意見をいいやすいスタイルを作ることも重要です。

みんなの前で自分の意見をいわなければならないとき、「皆の前で話すのは苦手なのですが…」と前置きをしておくと、多少うまく伝わらなくても、聞いている人は理解しようとしてくれるでしょう。

事なかれ主義は自分に失敗しても大丈夫といい聞かせるとよい

事なかれ主義で問題を先延ばしにする人は、少なからず周囲の目を気にする傾向があります。

うまく問題解決できなかったらどうしよう、自分の意見で孤立してしまったらどうしようという不安があるでしょう。周りの目を気にする理由は、できれば自分が完璧でいたいという思いがあるためです。

しかし、完璧にこなさなくても問題は解決させることができます。

問題に直面したとき、ひとりで抱え込まず、周りに相談したり、周囲の協力をえたりすることで、問題解決までの時間も短縮でき、解決への糸口も見えてくるかもしれません。

また、誰にでも欠点はあるため、いくら完璧でようとしても完璧ではいられません。

自分の能力でできないところはできないと認めれば、周囲の人も手助けをしてくれるでしょう。「失敗しても大丈夫、だから問題にきちんと向き合う」という姿勢を持つことが大切です。

事なかれ主義についてのまとめ

  • 事なかれ主義の意味は、目の前にある問題に対して解決しようとせず、見て見ぬふりをしたり、避けたりすること
  • 事なかれ主義は日本人に多い気質も言われており、外国人にはあまり見られない考え方である
  • 経験が乏しかったり問題が大きすぎたりすると問題解決能力に自信をなくし、事なかれ主義になりがちである
  • 特に日本人は波風を立てることを嫌い、面倒なことを避けるため、大きな組織では事なかれ主義が起きやすい
  • 当事者意識を持って、きちんと問題に向き合うことで事なかれ主義を改善できる
  • 自分の意見を言うときの方法や手段を考えて相手に伝えるのが良い
  • 完璧であろうとせず、できないものはできないと自分の能力を認め、事なかれ主義ではなく問題に向き合う努力をすることが大切である