梁冀跋扈(りょうきばっこ)の意味とは
梁冀跋扈は中国の古い書物である、「後漢書」や「蒙求」に収録されている、後漢期の大将軍を務めた政治家・梁冀(りょうき)の故事に由来する四字熟語です。
梁冀の故事の内容は、「妹が順帝(後漢第八代皇帝)の皇后である梁冀は外戚の地位を使って横暴に振る舞っていたが、大将軍に任じられると横暴さがさらに激しくなった。冲帝(後漢第九代皇帝)が崩じると、梁冀は質帝(後漢第十代皇帝)を擁立した。
年少だが聡明な質帝は、梁冀の横暴を知ると、家臣たちの目の前で《梁冀は跋扈将軍である》と言った。これを深く恨んだ梁冀は、質帝を毒殺し、新たに桓帝(後漢第十一代皇帝)を擁立した。
さらに横暴さが増した為、人々は嘆き恐れた。四方から年貢・貢ぎ物が来ると、一番良質なものは梁冀のものとなり、本来は一番の権力者である皇帝はその次であった。」というものです。
ここで使われる跋扈は本来は、跋は「越える。」.、扈は「魚を捕らえる為の竹かご。」を意味するため、「魚を捕らえる為の竹かごから魚が跳び跳ねて逃げる。」という意味でした。
しかし、梁冀を「魚」に、守るべき権威の枠組みを「扈」に喩える事で、「好き勝手に振る舞うこと。」という意味も持つようになりました。
梁冀跋扈とは、「臣下にある者が権勢を欲しい侭にして好き勝手振る舞い、君主の大権を冒すこと。或いは、自分の欲望のまま好き勝手すること。」を意味します。
類語はありません。
梁冀跋扈のビジネスシーンでの意味
梁冀跋扈はビジネス用語ではありませし、日常的に使う言葉でもありません。
皇帝の外戚としての権威を使って横暴な振る舞いを続けた梁冀でしたが、最後は自分の擁立した桓帝に一族もろとも誅滅されてしまいました。
もし何か、人よりも優位な状況に立てる状態となったとしても、因果応報の憂き目に合った梁冀を教訓として横暴な行いをするのはやめましょう。
梁冀跋扈の使い方と例文
出典:李瀚『蒙求』