伴食大臣(ばんしょくだいじん)の意味とは

伴食大臣は、中国五代十国時代に編纂された唐の歴史書「旧唐書(くとうじょ)」の「盧懐慎伝(ろかいしんでん)」に記された故事を出典としており、もともとは、「伴食宰相(ばんしょくさいしょう)」と表記していました。

大臣という言葉は現在では、「政府を構成する各行政部門の長。」という意味に使われていますが、本来は、「皇帝・国王等を輔弼する、宰相などの国政を司る重要官職。」という意味である為、「伴食大臣」という表記も使われるようになりました。

盧懐慎の故事の内容は、

「盧懐慎が黄門監(門下省の長官。宰相の地位にあたる。)になった。盧懐慎は清貧を旨としており、妻子は飢え・寒さに脅かされ、居宅は風雨も凌げないほどであった。

ある日、姚崇(ようすう。宰相の地位にあたる紫微省の長官を務めた。)が十日余り帰省することになった。

その間、裁決すべき政務が山積みとなったが、盧懐慎は処理する事が出来なかった。

姚崇が戻ると、山積みしていた政務をまたたく間に裁決し終えた。盧懐慎は自身が姚崇の才能に及ばない事を知り、事あるごとに姚崇を立てて、自分はそれに従うようになった。

人々はそんな彼を伴食宰相と呼んだ。
(唐の時代、宰相などの高官は政務の前に会食する事が通例になっていました。つまり、人々は会食だけして政務は姚崇に従うだけの盧懐慎を揶揄しているのです。)」

というものです。

したがって、伴食大臣とは、「持っている地位に見合った能力が無い、人のいいなりになるだけの無能な人物。」を意味します。

類語は、尸位素餐(しいそさん)などがあります。

伴食大臣のビジネスシーンでの意味

伴食大臣はビジネス用語ではありません。

ビジネスシーンにおいては、上司などを称賛する必要がある場合に「伴食大臣」の四字熟語をもちいて、「盧懐慎とは違う姚崇のような素晴らしい能力を持った人物。」というような意味の称賛を言う事が出来ます。

相手が故事に精通しているなら特に喜ばれるでしょう。

伴食大臣の例文

文部大臣中橋氏はこれまでの伴食大臣とちがって、教育界の現状を憂慮する誠実と、
それを改造する意志とを多分に持っておられるように見え、そのうえ、改造を断行する実力をも兼備されているように思われます。
出典:与謝野晶子「教育の民主主義化を要求す」
上司である〇〇さんは盧懐慎のような伴食大臣ではなく、姚崇のような素晴らしい能力を持った人物です。