晩婚化が進み、結婚をしないという選択も徐々に認められてきていますが、実際に生涯独身の人はどのくらいいるのでしょうかと疑問にあがります。

この記事では生涯独身とはなにか、どのくらいいるのか、生涯独身のメリット・デメリットを解説いたします。

結果、記事を通して人生の選択肢を考えるきっかけになります。

生涯独身と日本の人口の関係

厚生労働省の人口動態統計では、2016年に生まれた子どもの数は、97万6979人で統計開始以来始めて100万人を割り込みました。

少子高齢化は、今や日本の重要課題です。若い労働力が増えなければ、年金などの社会保障制度の根幹が揺らいでしまいます。

1人の女性が生涯に子どもを生む率は1.44%となり、確実に日本の人口が減っています。
その原因は、晩婚化により出産適齢期の女性が少なくなってことが考えられます。また、「生涯独身」を選ぶ女性が多くなっていることも影響しています。

この「生涯独身」を選ぶのは女性だけの傾向ではありません。男性の「生涯未婚率」も年々増加しています。

人口動態調査

生涯未婚率とはなにか

生涯未婚率とは、離婚や死別を含まない50歳までに一度も結婚をしたことのない人の割合です。

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の調査では、2015年の生涯未婚率は、男性が23.37%、女性が14.06%となっています。つまり、男性では約10人に2人、女性では約10人に1.5人が生涯に一度も結婚しないという実態になっているのです。

統計が開始された1920年には、生涯未婚率は、男性が2.17%、女性が1.8%で、1960年までは、男女とも1%代を維持していました。1970年から1990年になると生涯未婚率は増加しつつありましたが、それでも一桁を保っていました。

この数字が大きく変化したのが2000年です。女性は5.82%ですが、男性は12.57%と急増したのです。

その原因は景気低迷により、パートやアルバイトで生計を営む若者が増加してきたことが考えられます。いわゆる「ワーキングプア」の若者です。不安定な収入では、将来設計も立てられません。

さらに、2010年には、女性も10.61%と2桁を越してきました。女性の生涯未婚率が増加してきた理由には、男性とは少し違った理由もあるようです。

国立社会保障・人口問題研究所

生涯独身の理由

生涯独身でいる理由には個人差がありますが、大きく「結婚したいのにできない」と「結婚したくない」とに分かれます。

結婚したいのにできない人の理由

結婚したいのに結婚できない人の理由は、男女によって違いがあります。

男性の理由のひとつは、先程あげた「ワーキングプア」の若者が多くなったことです。連合の調査では非正規社員の7割が年収200万円以下と報告されています。特に、一人暮らし独身者では、貯金の余裕などはなく、結婚など考えられないのが現状です。

もうひとつ、男性の理由で多いのが「恋愛経験がない」ことがあげられます。女性との付き合い方が分からずに、お見合いしてもなかなか成功しない男性も少なくありません。

風俗でしか性体験がないので、一般の女性の扱い方が分からずにいるのです。その結果、「自分は結婚できない」と思い込み、独身生活を続けてしまいます。

女性の場合、「結婚したいのにできない」主な理由に、「理想が高い」ことがあげられます。「年収500万円ぐらいなら」と簡単に思っても、実際年収500万円以上の独身男性は多くありません。

平成27年の国税庁の調査でも30歳~34歳の平均年収は451万円です。500万円を超えるのは35歳以上で、その中で独身者となると確率はグッと低くなります。

さらに、「高学歴」や「優しい人」などという条件が加われば、より結婚相手を探すのは難しくなります。

このように結婚したいのにできない「婚活難民」と呼ばれる女性は年々増えているようです。

では、「結婚したくない人」の理由には、どのようなものがあるのでしょうか?

結婚したくないの人の理由

生涯独身を自分の意思で選んでいる人の理由は、主に3つあげられます。

 

(1)家族に縛られない

配偶者や子どもがいれば、当然生活費は家族のために使い、自分のために使えるお金は少なくなり、子どもの行事や親族の冠婚葬祭など時間的にも束縛されることが多くなります。

独身なら、お金も時間も自分のためだけに使えます。行きたい時に遊びや旅行に出掛けられます。

 

 

(2)自分らしくいられる

夫婦といっても趣向が同じとは限りません。部屋のカーテンや家具、料理や映画など、それぞれ好き嫌いはあります。同じ空間で暮らす限りは、どちらかが妥協しなければなりません。

独身なら、誰にも遠慮をする必要はありません。自分の好きな空間の中で、自分の好きな映画や本をいつでも時間を気にせずに楽しめます。

 

 

(3)自由に人と付き合える

配偶者がいると友人や知人との付き合いも自由にはできません。ましてや帰宅が夜中や朝になれば、ケンカにも発展しかねません。

独身なら、誰にも気兼ねせず付き合うことができます。当然、恋愛も自由です。ひとりの異性に縛られずに自由に恋愛ができるのも独身ならのメリットです。

 

生涯独身を選択する人の理由は、男女ともあまり違いはありませんが、特徴には少し違いがあります。

生涯独身を選ぶ人の特徴

生涯独身を選んでいる人の特徴で共通しているのが、「理想が高すぎる」ことです。自分でも理想が高いことは理解していますが、妥協できないタイプです。特に中年男性に多いのが、「若くて可愛い女性」との結婚願望です。

若い女性が見ても魅力的な男性なら可能性はありますが、一般的にはほぼ無理と言えるでしょう。

また、男性に多いのが「なんでもできる」人です。若い頃から料理や洗濯、掃除などが得意で、一人暮らしを苦痛に感じません。生活スキルが高く、自分なりのこだわりを持っています。

もし、結婚したらあれこれ口を挟む夫になるタイプの人です。

女性の場合、「近寄りがたい」雰囲気を持っている人が多いようです。仕事をバリバリこなす有能な女性に独身が多いのは、この近寄りがたいオーラを発しているからかもしれません。
逆にいえば、結婚願望が強くないから異性に媚びることなく攻撃的に仕事をこなせるのです。

男女問わずに、生涯独身を選んでいる人は、自活している人です。収入だけでなく精神的にも独立しています。これは、職業的にもその傾向が現れています。

2012年の「就業構造基本調査(総務省)」に基づいたデータでは、音楽家や舞台芸術の生涯未婚率が、男性で36%、女性が50%になっています。

全体的に、芸術系やデザイナーなどのクリエイティブ系の未婚率が高いようです。また、女性では収入の高い職種の未婚率が高く、女性医師の35.9%は生涯未婚という結果になっています。

参考:総務省統計局 就業構造基本調査

生涯独身のデメリット

幸せに対する考え方は人それぞれです。家族を持っているから幸せとは限りません。しかし、生涯独身では得られないものがあるのも事実です。

遺伝子を残せない・子孫の問題

未婚で子どもを出産する人も最近は増えてきましたが、日本ではまだまだ少ないといえます。子どもができて家族をつくるという喜びは、生涯独身では味わえません。

周りがうるさい・親戚に心配される生涯独身

いつまでも独身でいると、両親や親戚など周囲の人が「まだ結婚しないの」などとうるさくいわれます。特に男性は、社会的な信用が薄くなることもあります。

何かあった時に相手がいない孤独死する

体調を急に崩して寝込んでしまっても、配偶者がいなければ誰も介抱してくれません。自力で対応するしかないのです。さらに、高齢になれば、「孤独死」という可能性もあるのです。

生涯独身を決めたら必要なこと

生涯独身でいることは決して悪いことではありません。人生をどう生きるかは個人の価値観の問題です。ただし、退職後の暮らしのためには、「お金」と「家」と「友人」は必要です。

お金と時間が自由でも、将来のことを考えれば、まず貯金をすることが大切です。できれば、賃貸でなく自分の持ち家を持つのが理想です。持ち家なら老後に売り払って老人介護施設に入居することも可能です。

また、保険も大切です。病気や怪我などの保証や生活費の保証などきちんと調べて加入するようにしましょう。

そして、なによりも生涯語り合える友人がいることです。できれば、生涯独身の「同志」がいると心強いですね。

生涯独身のまとめ

厚生労働省の調査では、男性の23.37%、女性の14.06%が生涯独身となっています。生涯を独身で過ごす人は、「結婚したいのにできない人」だけではありません。「結婚したくない」人も多くなっています。

その理由は、「家族に縛られない」「自分らしくいられる」「自由に人と付き合える」などがあげられます。

生涯独身を貫ける人は、経済的にも精神的にも独立している人です。男女とも「理想が高い」のが特徴です。男性は、生活スキルを持つ「なんでもできる」タイプの人が多いようです。女性は精力的に仕事をこなす「近寄りがたい」タイプの人の生涯独身者が多くみられます。

少子化の問題はありますが、生涯独身でいることを選ぶのは個人の価値観で、決して悪いことではありません。ただし、そのためには準備しなければならないこともあることを自覚することが大切です。