「責任転嫁」という言葉はよく聞きますが、無責任さを感じる言葉で、こういうことをする人とは付き合いたくないというのが正直なところです。

ここでは、責任転嫁する人の心理と、もし責任転換する人と付き合わなければならないとしたとき、どんな対処方法があるのかについて解説します。

責任転嫁の読み方と意味

責任転嫁は他人に責任をなすりつけること

読み方は「せきにんてんか」で、意味は「本来持つべき人ではない他の人に、責任をなすりつけること」です。

「転嫁」の「嫁」は、妻や女房という意味ではなく「嫁(か)する」(責任や罪を押し付ける)の意味です。

転嫁は身近なところで「価格転嫁」という言葉があります。ご存知「消費税の価格転嫁」といったように、価格が消費税に乗せられてしまった状態をいい、「責任転嫁」と同じ使い方です。

 責任転換は間違い

話し言葉だと特に間違っているのに気付かず、そのまま聞き流してしまうのが「責任転換」です。

「転換」は、「方針や傾向を別のものに変えること」で「方針(方向)転換」といった使い方をします。責任を「転換」するという意味はありません。

責任転嫁の類語

「責任転嫁をする」と同じ動詞形の類語

責任をなすりつける。
責任をかぶせる。
責任をおしつける。
濡れ衣を着せる。
人のせいにする。

意味は違うが責任転嫁に似た言葉

責任放棄
責任を投げ出してしまうこと

責任回避
責任が来ないように避けること

自己保身
責任などが来ないように自分を守ること

いずれも、自分が責任を負うつもりがないところは「責任転嫁」と同じですが、他者に押し付けるところまで至っていませんが、「責任転嫁」する可能性はあります。

責任転嫁の英語表現

責任転嫁の英語表現

buck-passing
責任転嫁

pass the buck (to a person)
誰かに責任を転嫁する

buckは「責任」で、よい意味で使うとThe buck stop with me.(私が責任を取る)です。passを織り交ぜることで責任を投げるという意味になります。

責任転嫁の英語表現を使った例文

shuffle off responsibility onto others.
誰かに責任を転嫁する

He tried to shift the blame for his failure onto someone else.
彼は自分の失敗を誰か他の人に転嫁しようとした。

Mary casts the blame on others.
メアリーは責任を他の者たちのせいにした。

shuffle off responsibility・shift the blame ・cast the blameで、「責任を転嫁する」という意味になります。

責任転嫁する人の心理

ここでは責任転嫁をよくする人が、いったいどんな心理から責任転嫁してしまうのか解説します。責任転嫁する人の原因を知ることで、付き合い方も変わって来るでしょう。

 思い込みで責任転嫁をする

自分は絶対悪くなく完璧な人間と思い込んでいる人は、なにかあったとき、無意識のうちに責任転嫁してしまいます。自分に自信があるばかりに、つい自分以外の人に失敗の原因を探し責任転嫁してしまいます。

仕事の場面では、チーム全体で業務を行うことが多いですが、チームとして成果を出せなかったとき、「自分はよくやった、悪いところはない!」と思い込んでいる人は、チームの失敗を他の誰かのせいにしてしまうでしょう。

責められるのが嫌

チームでやった仕事で、多かれ少なかれ自分の責任も感じると「私にも責任がある」と申告するのが普通です。しかし、周囲から叱られたり責められたりするのが極端に嫌な人は、つい告白するのをためらいます。

チームの失敗は自分のせいだといわれるのは辛いものでしょう。特に自分だけが原因だと言われるといたたまれなくなり、共犯者探しをして、他にも責任のある人がいるといい出してしまう場合もあります。

弱い人間であるがために、失敗を受け入れられずに責任転嫁して気持ちを楽に私用とすることが原因です。

虚勢を張るために責任転嫁をする

上記の性格と弱い人間であるというところは共通していますが、虚勢を張ることで自分に責任追及されることから回避しようとしていることが特徴です。

特に力づくで来る先輩や上司などが、「だから俺は前から忠告していたんだ!」と相手を攻める事で自分の前に防御のための壁を作り、責められないようにしておくのが特徴です。

そして虚勢を張る一方で、「悪いのはいった通りしなかったお前たちだ!」と、責任追及の矛先をかわすために他の誰かの責任にすり替えようとします。虚勢を張るのはコンプレックスの裏返しであり、自信のなさが背後にあります。

責任転嫁する人への対処方法

 放置する事で対処する

責任転嫁しているのが周囲の誰が見ても明白な場合は、その人の責任追及をする方向に持って行けばよいですが、そうでない場合はいったん、放置して経緯を見守るというやり方が大切です。証拠もない中でもともと素直でない人の責任追及をしても、なすりつけ合いになるだけでしょう。

問題が起こった事態の解決に精力を注ぐことに専念することも大切です。周囲が問題解決に向け一生懸命頑張る中で、もしかすれば責任転嫁した人が自分の間違いに気づき、改心する可能性もあります。

いい訳を否定して対処する

責任転嫁している人を非難すると必ずいい訳をします。自分は悪くない、ちゃんとやっているといい張ります。しかし、責任転嫁をした状況が明白にわかる場合は思い切っていい訳を否定することが効果的です。

二重三重に自分に責任がないことをいい返してくるかもしれません。正面から責任転嫁する人を問い詰めるとなかなか認めないのも確かですが、否定する方も根気がいることを心にとどめておくとよいでしょう。

根負けしない前提は、責任転嫁したという客観的な状況を固めておくことと、1人ではなく賛同する周囲の協力が必要です。

責任転嫁を上司に報告して対処する

職場で起こった問題は上司に報告するようにしましょう。責任転嫁された状態が長く続くと、職場が疑心暗鬼になるため、上司も問題を把握しておく必要があります。

上司は職場全体を俯瞰しているため、改善への努力をしてくれるはずでしょう。責任転嫁する人はクセのようなものであるため、再発する可能性が高く、いずれは指摘されることになります。

上司自体が部下への責任転嫁をしがちな場合は管理職失格です。しかし組織の浄化作用が働いていれば、いずれは代わることになるでしょう。

責任転嫁についてのまとめ

  • 「責任転嫁」は、「せきにんてんか」と読み「他者に責任をなすりつけること」を言います。よく「責任転換」と勘違いしますが、この言葉はありません。
  • また、「責任放棄」「責任回避」などとよく似ていますが、これらは責任から逃げているという意味は一緒ですが、他者になすりつける責任転嫁まで行っていません。
  • 責任転嫁する心理は、本人に自信がありすぎ思い込みの強い人、責任を問われ責められることが嫌な人、虚勢を張っている人などによく見られます。
  • 責任転嫁をする人への対処法は、問題が起こっている事態そのものにまず対処し、しばらく様子を見ることからはじめ、状況が固まれば言い訳を否定すればいいでしょう。最後は上司に職場の問題とし報告し、判断をゆだねます。