近年、心理カウンセラーの役割が大きくなっています。世の中に繊細な人が増えたからなのか、情報社会がストレスを増やしているのか理由は一つではありません。

しかし、昔の人に比べて、忍耐力がなくなった、と言われることもしばしばありますよね。

今回は「繊細な人」に注目し、以下のような点について解説いたします。

  • 繊細な人の特徴
  • HSPとは何?
  • 繊細な人に向いている職業

繊細にはどのような意味があるのか

繊細な人について考える上で、押さえておきたいのが、「繊細」という言葉の意味です。

大辞泉によると、以下のような意味が出てきます。

・細く小さいこと
・ほっそりとして優美なこと
・感情などがこまやかなこと、デリケート

繊細な人と聞くと、感情面でデリケート、ネガティブ、傷つきやすい、といったマイナスのイメージを持たれることが多いでしょう。

では、実際にはどのような人が一般的に「繊細な人」と言われているのでしょうか。

一般的な繊細な人の特徴

繊細だからよい、悪いと一概に言うことはできません。なぜなら、その人の性質を表すものだからです。

繊細な人のよい特徴は以下の通りとなります。

・思いやりがある
・人の感情に敏感で寄り添って考えることができる
・小さな変化に気づく
・芸術が好き
・穏やかな性格

一方、繊細な人の悪い特徴には以下のようなものがあります。

・言いたいことをいつも我慢している
・内向的で人と関わることを恐れている
・傷つきやすく、被害妄想が激しい
・プレッシャーに弱い

エレイン・N・アーロン博士がいう繊細な人とは

エレイン・アーロン博士は1991年から高敏感性(高感受性)に関する研究を行っています。

専門用語では、Sensory-Processing Sensitivity(SPS)と呼び、ささいなことに敏感である人たちのことをThe Highly Sensitive Person(HSP)と名づけました。

エレイン博士によると、人間の20%がHSPに当てはまると発表されています。

HSPは生まれつきの特性で、人間だけではなくコバエ、鳥、魚、犬、猫、馬、霊長類まで、100種類以上の動物にも同じような性質が見られることから、生き物全体に共通する特性であると言うことがわかりました。

そしてそれは、生き残りの戦略の1つの方法であるとも考えられています。

HSPの特徴は以下のようなものです。

・生まれ持ったもので脳の作りが他の人と少し違う
・他の人たちよりも物事に敏感である
・他の人たちよりも微妙なことによく気づく
・物事に圧倒されやすい
・敏感(繊細)である事は文化によって異なった評価を受ける(例えば、気にしすぎるなど)
・表面的な会話が苦手である

以上の点を見ると、日本でよく言われる「繊細な人」の特徴とよく似ていることがわかります。繊細な人とは感受性が強く、人よりもささいなことに気づいたり、感情が動かされたりする人のことです。

繊細な人、はマイナスのイメージから、内気である、感情を表さない、怖がり、神経質、などと言われることがありますが、これはすべて後天的に習得された性質です。

驚くべきことにHSPの約30%は外交的であることがわかっています。

DOESとは?

エレイン博士はHSPの特性を簡単に4つのポイントにまとめています。それぞれの頭文字をとって、DOESと読んでいます。

HSPの4つの特性

・ Depth of processing
情報処理の仕方が普通の人より複雑
・Overstimulation
刺激過多になりやすい
・ Empathy and emotional responsiveness
感情的に反応しやすく、共感しやすい
・Sensitivity to subtleties
普通の人が気づかないような些細なことに気づく

エレイン博士はHSPの人たちを「これらの性質は極めて有利な特性である、その理由から非常に敏感であることは喜びである。」とも述べています。

参考文献:Elaine Aron “The highly sensitive person”

繊細な人に向いている仕事

繊細な人だからこそ向いている、という仕事はあるのでしょうか。

以下の3つは繊細な人の特性をいかせると言われています。

・接客業
・自営業
・医療

具体的に解説していきます。

また、繊細な人の特性をいかせる職業に転職した場合は転職エージェントをおすすめします。転職エージェントについては以下の記事も参考にしてみてください。
転職したい!その思いに答える16のエージェント解説と、効率的な転職の仕方
業種&年代など経歴特化型転職エージェントの紹介と比較

接客業

繊細な人は、すぐに傷ついたり、恐れたりするので、対人関係を友好に築くのは難しいと感じているかもしれません。しかし実際には、接客業も向いている職業の1つです。

HSPは一般的に他の人よりも注意深く、誠実、仕事の質にこだわる性質があります。直感的な洞察力や人の微妙な変化に気づきやすいことから、クライアントのニーズを汲むことができます。

HSPの人には外交的な人も多く、お客様の立場に立って、スタッフとして対応するのは、本来向いています。

自営業

HSPの人は、社交的であると言っても人付き合いをすると疲れやすい性質も持っています。人の気持ちが他の人に比べてよくわかったり、気持ちをさしたりするのが得意であるため、長時間人と関わると疲れてしまうのです。

その点を解消するには、会社で勤めるのではなく自営業をやるのがいいかもしれません。自営業はクライアントがいるため100%自分の都合で仕事ができるわけではありません。

しかし、会社勤めのように毎日決まった時間に出社をし、仕事の量にかかわらず定時までいなければならない、そういった束縛からは逃れることができるでしょう。

他の人より繊細であるため、自分の仕事環境を自分でコントロールするのも得意であるといえます。そういった意味でも独立やフリーランスで仕事をしていくスタイルは向いているといえます。

医療

他の人に比べて感受性がとても強く敏感なので、人の気持ちを察することができます。

病院などの医療機関では、普段よりも繊細になっている患者さんが多いため、何気ない一言が患者さんを怒らせたり傷つけたりすることがあります。その点でHSPの人は、人の気持ちをくみ取ることができるので、医療機関で働くのは向いているでしょう。

患者さんと積極的に関わるということが得意ではない場合、医療事務などの後方担当に回ることで力を発揮する場合もあります。

繊細な人に関するおさらい

繊細な人に関するおさらいは以下の通りとなります。

  • 繊細な人は、ささいなことに気づき、恐れ、人との交流を嫌がると思われている
  • 繊細な人の良い面は、思いやりがあり人の気持ちに気付きやすい点である
  • HSPという特性は人だけでなく、他の生き物にも共通している
  • HSPは人類の約20%を占めており、生まれ持った性質である
  • HSPの人に向いている職業として、接客業、自営業、医療機関などである