会社から定期的に案内がくる健康診断ですが、忙しい時に期間を指定して受診するよう指示があります。一方で、健康には自信があるのでパスしたいと思う人や、自分のことなので行きつけの病院でいつも検査しており拒否したいと思う人もいます。

そこで、この記事では、意外と知らない会社の健康診断について、知っておきたい基本情報を解説します。

会社の健康診断は義務

「労働安全衛生法」によって決められている健康診断

会社が定期的に健康診断を受けるよう指示するのは、余計なお世話ではありません。「労働安全衛生法」という法律で、会社は従業員に対して医師による健康診断を実施しなければならないと決められています。

一般的な会社では、従業員には入社時の健康診断と、年一回の「定期健康診断」を受けさせなければならないと決められています。なお、特定業務従事者といって、一定の有害な仕事環境で仕事に従事する人がいる会社にはさらに別のルールがあります。

健康診断の対象となる従業員

労働安全衛生法でいう健康診断の対象者は、「期間の定めなし」としている従業員で、いわゆる正社員と「労働時間が正社員の4分の3以上」になるパート社員やアルバイトです。

パート社員、アルバイトの場合、1年以上の契約をしていることが前提となります。

健康診断の料金負担と受診時間

従業員は受診料を負担しない

健康診断を従業員に受けさせることが会社の義務なので、それにかかる料金は会社の負担となります。従業員が負担する必要はありません。もちろん、健康診断の検査項目は決められているのでその範囲内での会社負担となります。

しかし、健康診断の結果、再検査が必要となり二次検診を受ける場合の費用負担義務は会社にはありません。
再検査の通知までが会社の義務で、再検査は従業員の自己責任となります。

健康診断は勤務時間中に実施

会社に健康診断の実施義務があるのと同じ理由で、いつ実施するかということについては勤務中が基本です。したがって、働いている時間に受診できるように、健康診断の受診日程がセットされます。

会社内で医師や健診設備をセットして実施する場合も、契約している医療機関に従業員が出向いて受診する場合も同様です。自らの勤務時間中が基本なので、その間、会社側から給与の支払いはあるということになります。

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健康診断が会社負担になる場合と自己負担になる違いについての解説

会社の健康診断は拒否できない

労働安全衛生法で、会社に従業員の健康診断を義務付けているのは、従業員が安全に働けるように配慮したものです。

費用も時間も会社負担で実施するのため、受診を拒むことは業務命令違反となり、拒否することはできません。

受診の日時・場所の調整は可能

会社が指定した日時や場所に対し、日程調整ができないために拒否したり無視したりすることはできません。しかし、事情を申し入れることで代替日時や受診方法を相談することは可能です。

たとえば、健康診断の実施期間中や場所にやむを得ない事情が発生し、どうしても受診できない場合などは事前に会社に申し出て調整をすることをおススメします。

ただし、面倒だとか健康には自信があるなどといった理由での拒否は問題外です。

人間ドックを健康診断の代わりにしたい

自分の健康管理上、個人的に人間ドック等の受診実績(予定)がある場合、これは健康診断の代わりになるのかという疑問があります。

人間ドックを受けた(受ける)時期が合えば可能

人間ドックは会社の健康診断の受診項目をクリアしている場合がほとんどなので大丈夫です。ただし、注意しなければならないのは人間ドックを受けた(受ける予定)時期です。

会社の健康診断は前述のように1年に1度と義務付けられているため、人間ドックを受けた時期、あるいは受ける予定の時期が会社の年度内かどうかがポイントです。

仮に、昨年受けた人間ドックの結果を、昨年も今年も健康診断の代わりに使うのは不可能です。1年に1回の原則に反することになってしまいます。

「特定の人間ドック」の項目の注意

トータルの人間ドックの項目は健康診断をクリアできますが、肺ドックや肝臓ドックといった特定の部位を中心に実施する人間ドックは検査項目が限定される場合が多いです。

したがって、会社の健康診断の項目をすべてクリアしているかどうかの確認が必要です。

人間ドックの費用負担は一部自己負担

健康診断は会社負担というものの、高額な人間ドックの受診料をすべて会社が負担してくれるかというとそれは無理があります。

会社ごとに運用が異なりますが、一般的には会社の健康診断にかかる項目分のみを会社負担とします。残りは本人負担になるよう運営される場合が多いです。

会社の健康診断についてのまとめ

  • 会社が毎年実施する健康診断は、会社の従業員への安全配慮義務として、労働安全衛生法」によって年1回実施するように決まっています。したがって費用負担は会社持ちで、受診する時間も勤務中となります。
  • 健康診断を従業員に受けさせるのが会社の義務ということは、会社は従業員に必ず受けるように指示できるので、従業員側からすると、受診そのものを拒否することはできないということになります。
  • 仮に日時や医療機関などの場所で、従業員側が受けにくい事情をいう場合は、会社とよく相談します。面倒だとか健康には自信があるなどといった理由は通りませんが、たとえば人間ドックを定期的に受けているので代わりにしたいということは原則可能です。
  • 人間ドックを健康診断の代わりにする場合は、受けた時期(予定時期)などを会社とよく相談することが必要です。ただし、健康診断の代わりになるからといって、会社が人間ドックの費用負担をすべてすることはありません。